日本株(終了)9日ぶり大幅反発、外部環境安定でほぼ全面高-割安感

東京株式相場は9営業日ぶりに大幅反発。 米証券大手ゴールドマン・サックスが住宅ローン関連の大幅な評価損計上は計画 していないと伝わったことで金融不安が後退し、三菱UFJフィナンシャル・グ ループなどの大手銀行株が上昇。米景気の過度の悲観論も後退、為替相場も落ち 着いた動きとなり、トヨタ自動車などの輸出関連株も買い戻された。東証業種別 33指数は鉱業を除く32業種が上昇。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄数が 1526、値下がりは144と、全体の約9割が買われる全面高の様相だった。

安田投信投資顧問の茶野宏ファンド運用部長は、「前日に配当利回りと長期 金利が逆転したことで、そろそろ悲観的なニュースからポジティブニュースに目 が向きやすくなる。売り方は売り込めない状況になっており、リバウンドが起き やすい」と指摘した。

日経平均株価の終値は、前日比372円93銭(2.5%)高の1万5499円56銭。 TOPIXは同42.98ポイント(3%)高の1497.71。東証1部の出来高の20 億7086万株。

PERや配当利回りから反発土壌整う

この日の日経平均は反発して始まった。午後に入ってもじりじりと値を上げ、 心理的な節目である1万5500円を一時突破、高値圏で終えた。前日までの8営 業日で日経平均が1700円以上の下落となるなど、急ピッチの下げを受けて相場 水準に割安感、売られ過ぎ感が漂う中、外部環境の落ち着きをきっかけに買い戻 しが先行した。

ブルームバーグ・プロフェッショナルによると、前日の日経平均の今期予想 PER(株価収益率)は16.05倍と今年最低まで低下。年初からの平均19.11倍 から大きく低下した。また、TOPIXの予想配当利回りは1.517%と、長期金 利の1.49%を上回っていた。このため、市場では取引開始前から「自律反発の 機運が高まりやすい」(日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長)との 声があった。

こうした中で、買いのきっかけとなったのが米株式相場で相次いだ好材料だ。 米ゴールドマン・サックス・グループが、住宅ローン関連資産の大幅な評価損を 計上しない計画を明らかにしたため、金融不安が後退。小売り最大手ウォルマー ト・ストアーズが発表した四半期利益もアナリスト予想を上回り、個人消費に対 する安心感も広がった。ダウ工業株30種平均は320ドル近い値上がりとなるな ど、前日の米株式相場は5日ぶりの大幅高となった。

企業業績への影響が懸念されていた円高傾向も落ち着きを見せた。東京時間 のドル・円相場は1ドル=110円83銭-111円29銭付近で推移。前日の東京株 式相場の終了時間の1ドル=110円から円安方向に振れた。12日には109円13 銭と、06年5月中旬以来の円高水準を付けていた。

上の「窓」は埋めきれず

もっとも、市場関係者の間では上値の重い印象との声も多かった。12日の 急落局面で開けたチャート上の「窓」(前週末9日安値1万5560円と12日高値 1万5380円の間の空間)を埋めることは出来なかった。住友信託銀行マーケッ ト資金事業部門の島津大輔調査役は、「根本的にはまだ何も解決されていない。 不安定な動きは続くだろう」と話している。

東エレクや堀場製、千葉銀が大幅高

個別では、日本国内や台湾の好調で、07年4-9月の6カ月累計の連結営 業利益が前年同期比63%増と、通期計画に対する進ちょく率が59.4%となった 東京エレクトロンが大幅続伸。主力の自動車エンジン排ガス計測システム機器な どが好調なことを踏まえ、通期(07年12月期)の業績予想を上方修正した堀場 製作所、みずほ証券が投資判断を「買い」に引き上げた千葉銀行も急騰した。

このほか、通期(08年3月期)業績予想と自己株消却を発表したシマノが 大幅続伸。デジタル家電向け半導体などが好調に推移して第2四半期(7-9 月)の連結営業損益が41億円の黒字(前年同期は12億円の赤字)に転換したN ECエレクトロニクスも続伸した。

SMCや鹿島など業績悪化銘柄の下げ目立つ

半面、半導体産業や電機産業からの需要回復が遅延し、今期(08年3月 期)の業績予想を下方修正したSMCが大幅安で東証1部の下落率1位。一時 14%安の1万2170円とストップ安となり、05年8月上旬以来の安値水準に落ち 込んだ。決算を受けてUBS証券やCLSAアジアパシフィック、野村証券金融 経済研究所などは投資判断を引き下げた。

また、工事採算の悪化で、業界の大手他社より業績の減額修正幅が大きいこ とが懸念された鹿島が03年7月下旬以来の安値水準となった。原燃料価格の高 騰などで通期(08年3月期)業績予想を下方修正したリンテックのほか、住宅 着工低迷で通期(08年3月期)業績予想を減額修正した文化シャッター、ウエ ハー再生事業が低迷で通期(08年3月期)業績予想を減額修正したラサ工業な ども大幅安となった。

ジャスダックは12日ぶりに反発、トッキが急騰

国内の新興3市場は軒並み上昇。東証マザーズ指数は前日比4%高と3日続 伸し、大証ヘラクレス指数は同3.3%高と続伸、ジャスダック指数は同3.1%高 と12営業日ぶりに反発した。ミクシィやACCESS、ディー・エヌ・エー、 ヤフー、楽天などネット関連株中心に幅広い銘柄が買われた。

ジャスダックでは、トッキがストップ高水準となる18%高の536円で比例 配分。ジャスダック市場の上昇率でトップ。13日にキヤノンが株式公開買い付 け(TOB)と第三者割当増資の引き受けを通じ、子会社化すると発表しており、 TOB価格の556円にさや寄せする格好で買いが集中した。なお差し引き60万 株弱の買い注文を残している。これに対し、二次電池向け正極材料の好調で、9 月中間期の純利益が前期比9倍の9億6800万円と膨らみながら、通期計画の11 億円(前期比2.6倍)を据え置いた田中化学研究所は前日の9%高から反落。

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