東京外為:円下落、日米株高でリスク選好-円金利先安観、111円前半

午前の東京外国為替市場では円が下落して いる。対ドルでは1ドル=111円台前半と、前日のニューヨーク時間午後遅くに 付けた110円90銭から水準を切り下げている。前日の米株に続いて日本株も大 幅反発していることから、投資家のリスク志向改善が見込まれ、再び低金利の 円から高金利通貨などに資金が向きやすくなっている。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、「米株の動向 を見ながら、株が上がれば、リスク許容度が増して円安といった相場展開が繰 り返されている」として、東京時間の取引も日本や海外の株式市場に左右され やすいとみている。

日米株が反発、円金利に先安観

13日の米国株式相場は、小売り最大手ウォルマート・ストアーズの好決算 や、証券大手のゴールドマン・サックス・グループが住宅ローンに関連した資 産の大幅な評価損計上は計画していないことを明らかにしたことから、過去2 カ月で最大の上げとなった。

株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)の ボラティリティ指数(VIX指数)は24.1と、12日に付けた2003年3月以来 の高水準となる31.09から低下。米株投資への不安心理が和らいだことが示さ れている。

外為市場では、株投資への安心感は投資家のリスク許容度が改善するとの 見方につながる傾向があるため、円やドルから金利先高期待のある通貨に資金 が向きやすくなる可能性が高くなる。

特に、前日は日本銀行が金融政策決定会合で金利据え置きを決定したうえ、 福井俊彦総裁の記者会見でも、早期の利上げ期待が引き続き醸成されなかった ことから、円の低金利環境が長引くとの見方が強まっている。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斎藤裕司部長は、「日銀の利上 げについては、来春以降との見方が優勢となっており、市場に残っていた年内 から2月までの利上げ観測が後ずれする格好になっている」としたうえで、円 金利の先安観から、円キャリートレード(低金利の円で調達した資金を高金利 通貨などに投資する取引)の復活が見込まれるという。

この日は週初から何度も1万5000円の大台を割り込む場面が見られていた 日経平均株価が250円を超える大幅高となっており、円売りが後押しされてい る。ドル・円相場は一時111円29銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ) まで円が下落。ユーロ・円相場も1ユーロ=162円79銭と、ニューヨーク時間 午後遅くに付けた161円96銭からユーロ高・円安が進んでいる。

米サブプライム懸念くすぶる

半面、モルガン・スタンレーのクレジットストラテジー責任者、グレゴリ ー・ピーターズ氏は13日までにニューヨークでインタビューに応じ、住宅ロー ン関連の損失が原因で金融システムが「停止」してしまう可能性は50%を超え ているとの見方を示しており、サブプライム(信用力の低い個人向け)問題に 絡む信用不安はくすぶっている。

15日には米会計基準の厳格化を控えて、ゴールドマン・サックスが大規模 な評価損を計上する見通しがないと表明しているが、金融機関の決算をめぐる 不透明感は払しょくされにくい。このため、サブプライム関連の損失に絡む新 たな材料が出た場合には、再びリスク回避的な動きが活発化する公算も残る。

また、海外市場にかけては、「10-12月期の米国の経済動向を見極めたいと の意向もあるなか、新たなニュースで相場ががらりと変わる可能性がある」(メ リルリンチ証・今泉氏)ともいう。

こうしたなか、米国時間には小売売上高が発表される。ブルームバーグ・ ニュースがまとめた市場予想では、10月は前月から伸びが鈍化する見通しで、 米景気に弱気の見方が強まれば、ドルが下押しされる展開もありそうだ。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Aoki(ygt)

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