東京外為:円が1年半ぶり高値圏、サブプライムで買い戻しくすぶる

朝方の東京外国為替市 場では、ドル・円が1ドル=109円台半ばから後半と約1年半ぶりの円高値圏で もみ合っている。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題によ る欧米金融機関の損失拡大や米景気の悪化が警戒されるなか、リスク回避の動 きがくすぶっており、円はユーロや資源国通貨に対しても約2カ月ぶりの高値 水準となっている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャーは、「サブ プライム関連の評価損はまだ完全に表面化していない状況で、不安心理がだい ぶ高まってきている」と指摘。内外の株価が下落基調にあるなか、リスクを取 って円から高金利通貨などに向けられた持ち高の解消圧力が強まる傾向にある とみている。

一方、国内では午前8時50分に7-9月期の国内総生産(GDP)が発表 される。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、7 -9月期の実質GDPは前期比0.5%増、年率換算で1.8%増と2四半期ぶりの プラスが予想されている。ただ、GDPは過去の数字である上、市場では金融 混乱や米景気の先行き不透明感から日本銀行の早期利上げは困難との見方が浸 透している。このため、仮にGDPが予想を上回る伸びとなった場合でも、持 続的な円買い材料になることはなさそうだ。

また、この日は日本銀行の金融政策決定会合2日目が開かれ、終了後、直 ちに会合結果が発表される。金融市場の混乱が続くなか、金融政策は据え置か れる見通し。会合後には福井俊彦総裁の会見が予定されており、先週末以降、 急 激に進んでいる円高について言及するかどうかが注目される。

円が続伸、対ドルで1年半ぶり高値

12日の海外市場では円が続伸。対ドルでは一時、1ドル=109円13銭(ブ ルームバーグ・データ参照、以下同じ)と2006年5月17日以来の水準まで円 高が進んだ。

また、円は対ユーロで1ユーロ=158円台後半まで上昇し、13日の東京市 場にかけては一時、158円71銭と9月13日以来、2カ月ぶりの高値を記録。原 油や金など商品相場が大幅安となるなか、円はカナダ・ドルやオーストラリア・ ドル、ニュージーランド・ドルといった資源国通貨に対しても9月18日以来の 水準まで上げ幅を拡大し、対ポンドでは8月17日以来、約3カ月ぶり高値水準 に達している。

井上氏は、クロス・円(ドル以外の通貨と円の取引)主導の相場展開のな か、ユーロ・円の動向が焦点になるとみており、ユーロが対円で下値を試す動 きとなれば、ドル・円相場は昨年5月に付けた円の高値(108円99銭)が意識 される、と指摘している。

サブプライム問題の底見えず

投資家のリスク許容度を測る指標である米国株は過去8カ月間で最長の4 営業日続落。エネルギー株や金属株が売られたほか、取引終盤にかけては銀行 や証券会社が売りを浴び、株式相場は引け前40分で下げ幅を拡大した。

米オンライン証券のEトレード・ファイナンシャルは、一部資産担保証券 (ABS)の価値下落を背景に利益が予想を下回るとの見通しを示したことか ら、売りが殺到。シティ・インベストメント・リサーチのアナリスト、プラシャ ント・バーティア氏はEトレードが破たんに追い込まれる可能性を述べ、同社 株を売り銘柄に指定した。

米株投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBO C)のボラティリティ指数(VIX)は12日、前週末比9.1%上昇の31.09と、 2003年3月以来の高水準となった。

ドイツ銀行のアナリストらは12日までに、サブプライム(信用力の低い個 人向け)住宅ローン担保証券の評価損は世界的には3000億-4000億ドル(約 32 兆8000億-43兆7000億円)に達する可能性があるとの見方を示した。

--共同取材 三浦和美 Editor: Aoki(ygt)

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