バークレイズとRBS:欧州一の割安銀行-サブプライム情報少なく不安

バークレイズのジョン・バーリー最高経営 責任者(CEO)とロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(R BS)のフレッド・グッドウィンCEO。オランダの銀行ABNアムロ買収を めぐって争った2人の英銀CEOに、もう1つ共通点ができた。欧州の大手金 融機関25社の中で最も割安な株価だ。

バークレイズとRBSの株価は過去1カ月で30%近く下落した。米国のサ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損失で利益が押し下げ られるとの懸念が背景にある。

RBSの株価は予想される1株利益の5.6倍と、少なくとも6年で最も割 安な水準となっている。バークレイズの予想PER(株価収益率)は6.7倍。 これに対し、63の金融機関で構成するブルームバーグ欧州銀行・金融株価指数 の平均は9.8倍だ。

大幅な株価下落の理由は、サブプライム問題で信用市場が動揺するなかで バーリー、グッドウィン両CEOがほとんど情報を開示していないことだ。米 シティグループやスイスのUBSなど大手金融機関は合わせて約450億ドル(約 4兆9800億円)の損失や評価損を公表している。

アクサ・インベストメント・マネジャーズで運用に携わるスチュアート・ ファウラー氏(ロンドン在勤)は「人々が極端に神経質になっている今は、割 安かどうかを論じても意味がない」として、「今の状態では、割安かどうか分か らない。巨額の評価損などはないと思うが、時間がたってみなければ分からな いからだ」と話した。

沈黙が語る

バークレイズ株はサブプライム関連損失への懸念から、9日に一時9.1%安 と急落した。バーリーCEOは損失の観測を否定した。同CEOは社員あての 文書で「ここ数日市場で聞かれたうわさに少しでも真実の部分があったならば、 株式市場に向けて発表しなければならなかったはずだ」とした上で、「当行は何 も発表していない。この沈黙が多くを語っている」と指摘した。

レンズバーグ・シェパーズのファンドマネジャー、コリン・モートン氏は、 沈黙こそが問題の一部だと言う。英銀は米国やドイツ、フランス、スイスの銀 行と異なり、半期に1度しか決算を発表しない。モートン氏は、バークレイズ とRBSは詳細な情報を公表して投資家を安心させるべきだとして、今のまま では「何がそこにあるのか分からない」述べた。

世界の大手金融機関の損失拡大が明らかになるにつれて、投資家の懸念は 深まった。米銀シティグループは2007年7-9月(第3四半期)の損失や評価 損65億ドルに加えてさらに110億ドルの評価損が発生する可能性があると発表 した。米証券大手のメリルリンチは84億ドルの評価損を計上。欧州でも、UB Sとドイツ銀行、クレディ・スイス・グループが第3四半期に、サブプライム 関連などで合わせて100億ドル近い損失や評価損を発表した。

UBSとドイツ銀、クレディ・スイスの予想PERはそれぞれ12.3倍と7 倍、8.2倍。米部門のサブプライム関連で貸倒引当金を積み増したことを3月に 明らかにした英銀HSBCホールディングスは11倍。

「力強い」

バークレイズの証券・資産運用部門、バークレイズ・キャピタルのロバー ト・ダイアモンド社長は10月12日に、今年1-9月期の利益の伸びは「力強 く、収入と利益は前年を大きく上回っている」と述べていた。1-6月(上期) の税引き前利益は前年同期比33%増だった。RBS証券部門の上期営業利益は 同19%増。

シティグループのアナリストは11月9日付のリポートで、RBSとバーク レイズ、ドイツ銀が欧州の金融機関の中で最も損失を吸収する余力が小さいと 指摘した。シティは有形の株主資本の資産に対する割合から順位を付けた。

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