日本株(終了)年初来安値、米景気と円高警戒で全面安―15000円割れ

週明けの東京株式相場は7日続落し、約 3カ月ぶりに年初来安値を更新。日経平均株価は一時、昨年7月以来の1万 5000円を割り込む場面があった。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン問題による信用収縮が実体経済に与える影響や円高進行リスクが警戒 され、業績不透明感の高まった輸出関連を中心に東証1部の業種別33指数は すべて安い。トヨタ自動車は約2週間ぶり6000円割れ、みずほフィナンシャ ルグループなど金融株、新日本製鉄など鉄鋼株、商社株の下げも目立った。

安田投信投資顧問の礒正樹株式運用部長は、「損失確定のためのファンド の換金売りが本格化しており、15日までは需給面で売られやすい環境が続きそ うだ」との見通しを示した。礒氏によると、円の独歩高も解約売りに伴う円キ ャリートレードの巻き戻しの動きを裏付けているという。

日経平均株価の終値は、前週末比386円33銭(2.5%)安の1万5197円 9銭で、7日続落は2005年5月17日以来約2年半ぶり。TOPIXは37.95 ポイント(2.5%)安の1456.40で、昨年11月13日以来ほぼ1年ぶりの7日 続落。東証1部の売買高は概算で23億4390万株、売買代金は3兆520億円。 値上がり銘柄数は112、値下がり銘柄数は1579。

東証業種別33指数で下落寄与度の大きい業種は電機、輸送用機器、銀行、 機械、卸売、鉄鋼、医薬品、不動産、情報・通信など。

サポートライン下回る、米国以上の下落率

先週末9日に9月安値を下回った日本株は、外部要因の不安定さが警戒さ れてサポートラインとされていた8月安値をも割り込んだ。日経平均は一時 584円(3.8%)安の1万4998円まで下げ、同期間中の下落率は10%に達した。 前回7連敗中の3.3%安を大幅に上回る。日経平均25日移動平均との下値かい 離はきょう午後には一時9.6%となり、昨年6月15日の9.7%にほぼ匹敵する 水準。今年8月17日は11.5%だった。

サブプライム住宅ローン問題の深刻化で、英バークレイズや米JPモルガ ン・チェースなど欧米金融機関の追加損失への懸念が払しょくされず、信用収 縮が実体経済や企業業績に与える影響が不安視されている。9日の米国では、 携帯電話用半導体メーカー米2位のクアルコムが利益見通しを下方修正したほ か、消費者支出の鈍化を理由にアナリストらが化学大手3Mと米ディスカウン トチェーン2位ターゲットの利益見通しを引き下げた。

9日のS&P500種株価指数が1.4%安だったのに対し、週明けのTOP IXの下落率は2.5%。住信アセットマネジメントの三澤淳一株式運用部長は、 「米国景気が多少の減速ではなく、仮にリセッションまで陥るようなら、新興 国経済も影響は免れない」と指摘。マーケットにおける世界景気への不安の高 まりが、世界景気と連動性の高い日本株の下げ拡大につながっているとした。

大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の高橋和宏部長は、「米 景気懸念の増大とドル資産離れから、グローバルな資金の流れが変化すること に対する警戒が出ている」と指摘。リスク資産の縮小により、外国人投資家が 自国以外の株式のウエートを引き下げるほか、買い増しに消極的になる可能性 があるという。年末を解約基準日としているヘッジファンドが多く、解約申し 込み受付の標準の1つである45日前が意識されている面もあるようだ。

円高で売り加速、輸出関連が続落

投資家心理が冷え込む中、午後になって日経平均が1万5000円割れにつ ながるきっかけとなったのは円高の一段の進行とアジア株安。特に午前からド ル・円相場で1ドル=110円台まで進んでいた円高は、午後には心理的な節目 とされていた110円台を割り込んで約1年半ぶりの円高水準となった。

市場では、「昨年から言われ続けていた円キャリー取引の巻き戻しの方向 性が強まれば、まだまだ円高が進んでもおかしくない」(大和SMBC・高橋 氏)との見方がある。米景気の減速だけでなく、円高による採算悪化も不安視 された輸出関連株には売り圧力が継続。トヨタ自動車は3日続落、新日本製鉄 やコマツが4日続落、ソニーが7日連続安となった。任天堂は6万円割れ。

また、米欧で米サブプライム問題に関する損失拡大の観測が流れるなど、 銀行株も海外からの金融株売りや業績への不安感から売りが止まらない。傘下 のみずほ証券が米サブプライム関連の損失1000億円超へ拡大する可能性があ ると日本経済新聞で報じられたみずほフィナンシャルグループは、会社側は否 定したが、この日も東証1部の売買代金首位で一時6%安まで下げた。三菱U FJフィナンシャル・グループなどほかの銀行株も軒並み安い。

日CMKが値下がり首位

個別では、タイ工場での量産遅れなどから9月中間期の利益が予想を下回 り、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を引き下げた日本シイエムケイが 値幅制限いっぱいのストップ安まで売られ東証1部値下がり率首位。KBC証 券が格下げしたフジミインコーポレーテッド、08年3月期業績予想を引き下げ た堺化学工業やサクサホールディングスもそろって急落。既に業績悪化を発表 済みの千代田化工建設やDOWAホールディングスなども続急落となっており、 国内外の景気全般に対して透明感が出ているだけに、業績悪化銘柄に対する売 り圧力の強さは衰えなかった。

NTTなど自社株買い銘柄は堅調

半面、9月中間期の連結純利益(米国会計基準)が前年同期比33%減と落 ち込んだNTTは、上限20万株の自社株買いや野村証券金融経済研究所の投 資判断引き上げなどから堅調。発行済み株式総数の0.8%に当たる普通株式 400万株の自社株買いを発表した富士フイルムホールディングスは7日ぶり反 発。「有力な買い手不在の局面では自社株買いは株価下支えに効果的」(大和 総研の壁谷洋和マーケットアナリスト)であることが再確認された。

このほか、バンダイナムコホールディングスが8日に株式公開買い付けを 発表していたバンダイビジュアルは続急伸で東証1部値上がり率トップ。9月 中間期の利益予想を上方修正した大末建設も急伸した。08年3月期通期の業績 予想を大きく下方修正したセガサミーホールディングスは、1株当たり純資産 接近や現実的な業績修正などから朝安後に上昇に転じた。

新興市場はまちまち、ジャスダック10連敗

新興市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前週末比1.41ポイ ント(1.9%)安の71.47と、昨年7月19日以来の10連敗となった。大証ヘ ラクレス指数は27.03ポイント(2.1%)安の1240.37と続落。半面、好業績 発表のミクシィなどネット関連の業績好調銘柄が買われた東証マザーズ指数は

0.36ポイント(0.04%)高の817.36と反発した。

個別では、インデックス・ホールディングス、エイチアイ、ターボリナッ クス、大阪証券取引所が安い。一方、楽天、アイフリーク、ディー・エヌ・エ ー、ACCESSは高い。

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