9月機械受注:船舶・電力除く民需は7.6%減-一進一退の動き(5)

国内民間設備投資の先行指標と言われる機械 受注(船舶・電力を除く民需)は、9月には前月比で2カ月連続減少したものの、 四半期ではプラスに転じたうえ、10-12月期もプラスの見通しとなり、今後も 一進一退の動きが続きそうだ。

内閣府が8日発表した「船舶・電力を除く民需」(コア機械受注)は季節調 整済み前月比7.6%減で、総額は9587億円と2005年5月以来の低水準。内訳は 製造業が同5.7%増、非製造業が同17.1%減だった。この結果、7-9月期は 前期比2.5%増となり、内閣府見通しの3.7%増を下回った。また今年10-12 月期は同3.1%増の見通し。

コア機械受注は民間設備投資に1-2四半期ほど先行すると言われている。 今年1-3月期は前期比0.7%減、4-6月期は同2.4%減と2四半期連続でマ イナスを記録。今後の設備投資の動向をみるうえで、7-9月期がプラスに転 じ、10-12月期の見通しもプラスになるかどうかが焦点だった。

みずほ証券エクイティ調査部の飯塚尚己シニアエコノミストは、ブルーム バーグ・テレビに出演し、機械受注の結果を受け、「トレンドで見ると、7-9 月期で3四半期ぶりに2.5%増となっていて、これまで高水準で頭打ちになって いたのが、これで緩やかな上昇トレンドに転換した」との見通しを示した。

また設備投資の見通しについて同氏は、「機械受注が7-9月期、10-12月 期と2四半期連続で増加していることを踏まえると、一つの見方としては、設 備投資は2008年度の前半までそれなりに好調に推移する」との見通しを示した。

ブルームバーグ・ニュースが民間エコノミスト41人を対象にした調査によ ると、予測中央値は前月比1.5%減が見込まれていた。同数値は毎月の振れが大 きく、予想の幅は5.0%減-8.5%増と広かった。

7-9月は前期比2.5%増

内閣府の経済社会総合研究所・景気統計部の舘逸志部長は発表後の記者説 明で、3.1%の見通しを実現するためには10月以降、毎月平均で前月比5.7%の 伸びが必要と指摘した。舘部長はまた、機械受注の基調判断について「一進一 退で推移している」とし、4カ月連続で判断を据え置いたことを明らかにした。

住友商事総合研究所の奥田壮一チーフエコノミストは「7-9月期の実績、 10-12月期の見通しがともにプラス基調となっており、日銀短観で示された設 備投資の改善と整合性がとれている。企業の投資意欲は、それほど悪くないと いうことが伺える」とコメントしている。

奥田氏は「企業業績はまだら模様になっており、先行きについては設備投 資の増勢鈍化となるだろうが、景気回復をそれほど引っ張るとは見ていない」 と述べた。

統計発表後のドル円相場は午前11時25分現在、1米ドル=112円99銭で 推移している。発表直前は同112円48銭前後だった。

非製造業で携帯電話機の機種変更響く

9月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は、製造業は石油・石炭製品業 の受注が大型プラント案件もあり大幅に増加したほか、電子計算機などその他 製造業、鉄鋼業などの受注が伸びた。これに対し、非製造業では、鉱業を除く すべての業種で減少し、運輸業、通信業、建設業などが大きく減少した。

非製造業の受注総額は4877億円と2002年3月以来の低水準となり、これ が全体の機械受注の減少に響いた。舘部長は、非製造業のうち通信業の減少に ついて、携帯電話機受注が6-7月の高い水準から9月には大きく減少したこ とに触れ、背景には携帯電話の製造各社による機種変更という特殊要因が影響 したと説明した。

また改正建築基準法による住宅着工減少に伴う影響について舘部長は、建 設業が前月比12.3%減少しているものの、非製造業全体の減少の中では「特に 大きいというわけではない」と語った。

先行き慎重な声も

10-12月期の見通しはプラスになったものの、実現の可能性については現 段階では不透明だ。外部環境は原油価格の急騰や米国経済の減速懸念、ドル安・ 株安など、企業の投資行動を慎重化させる材料が増えている。

午前の東京株式相場は、東証1部の値下り銘柄数が全体の92%に達するなど ほぼ全面安。日経平均株価は終値ベースで9月安値水準(1万5764円)を下回 った。株価は前日比372円71銭安の1万5723円97銭で午前の取引を終えてい る。

大和住銀投信投資顧問の大中道康浩チーフエコノミストは「足元のモメン タムがちょっと弱くなっている中で、10-12月期も順調に増えるかどうか少し 控えめに見たほうがいい」と述べ、「サブプライム(信用力の低い個人向け住宅 融資)問題を受けた株安で不透明感がすごく強まっている」との見方を示した。

大中道氏は、こうした状況の下、設備投資は「先送りされる。また、所得 が伸びない、個人消費もちょっと弱いところで、内需自体も全く強気になれな い」との慎重な見方を示した。

--共同取材:鎌田泰幸、亀山律子、氏兼敬子、Lily Nonomiya、長谷川 敏郎 Editor:Ozawa

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