日本株は小幅安に、米景気減速の懸念で電機など下落-資源買い(2)

週末の東京株式相場は朝方安くなった後、 下げ渋る見通し。米国景気が10-12月期に減速傾向を強めるとの見方から、 電機や自動車など外需依存度の高い輸出関連株に業績の先行きを警戒した売り が増加しそう。金融機関の追加損失への懸念で、銀行株も軟調が予想される。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、「シスコシ ステムズの受注鈍化など米国景気に対する悪い材料の方が多く、おおむね軟調 で推移しそうだ」と見ている。

一方、日経平均株価の大幅調整後であることや、8日の米ダウ工業株30 種平均の下げ渋りなどから、「全般は持ち合いに近い動きになるのではない か」(門司氏)という。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の8日清算値は1万 5670円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万5740円)に比べて70円安。

なお、きょうは取引開始時に株価指数オプション11月物の特別清算値 (SQ)算出が予定されている。

米景気減速の公算

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は8日、米上下両院経済 合同委員会で証言し、2007年第4四半期(10-12月)の米経済成長が「顕著 に減速する」との見通しを示した。FOMC(連邦公開市場委員会)は第4四 半期減速を依然から予想していたものの、住宅市場の混迷による影響が個人消 費や企業の設備投資に及んだ場合は「この見通しに対する下振れリスクも認識 していた」と強調した。

また、7日の通常取引時間後に決算発表を行ったシスコシステムズは、07 年8-10月(第1四半期)の利益と売上高はアナリスト予想に一致したが、予 想を上回る業績を期待していた投資家には失望感が広がった。「国内からの受 注鈍化は米経済減速観測につながり、電機株だけでなく自動車などにも影響を 与えそう」(大和住銀・門司氏)という。

一方、米ゴールドマン・サックス・グループは8日、金融大手のシティグ ループ、JPモルガン・チェース、ベアー・スターンズ、メリルリンチおよび リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの株価見通しを下方修正した。各社 がサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連した資産の評価損 を追加計上する必要があるとの懸念に基づく。米金融機関の追加損失の懸念は、 世界的な金融株のリスク許容度低下となって国内銀行株にも影響を与えそうだ。

8日のS&P500種株価指数の終値は前日比0.85ポイント安の1474.77、 ダウ工業株30種平均は同33.73ドル(0.3%)安の13266.29ドル、ナスダッ ク総合指数は52.76ポイント(1.9%)安の2696。

テクニカルは短期売られ過ぎを示唆

もっとも、日経平均株価は5日間の続落期間中に1098円(6.5%)下落し、 短期テクニカル的にはボトム圏に近づきつつある。日経平均で過去の上昇幅と 下落幅から「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を分析するRSI(相対力指数)は 8日で32%となり、売られ過ぎの水準とされる30%割れに接近。東証1部の 騰落レシオは72%と、経験的に「売られ過ぎ」とされる70%以下に近づいて いる。

東洋証券の檜和田浩昭ストラテジストは、「テクニカル面では売られ過ぎ シグナルが相次いでいる」と指摘。檜和田氏によると、ボリンジャーバンドの 8日終値はマイナス2の標準偏差を8月17日以来下回ったが、「前回は翌営 業日である18日に大幅高となった経緯がある」(同氏)。

資源関連は上昇の可能性も

世界最大の鉱山会社、オーストラリアのBHPビリトンは8日、同業の英 豪系リオ・ティント・グループに買収案を提示したと明らかにした。これに対 し、リオ・ティントは同提案を拒否した。ロンドン株式市場のリオ・ティント の株価は買収案発表後、一時は5425ペンスまで上昇し、上場来最高値を更新 している。世界的な業界再編期待の強まりは、東京市場でも国際石油開発帝石 ホールディングスなどの鉱業株や非鉄金属株、商社株などの株価見直しにつな がる可能性もありそうだ。

DOWAやアルプス電は軟調も、ニコンは上昇公算

個別では、2008年3月期連結純利益が従来予想を下回る見通しとなったD OWAホールディングス、9月中間期の連結純損益が92億4600万円の赤字に 転落したアルプス電気、08年3月期連結経常利益見通しを引き下げた富士ソフ ト、9月中間期連結経常利益が期初計画を7%下回った武富士などが業績失望 から軟調となる公算。

このほか、ブラウン管の販売価格を巡って日米韓と欧州連合の独禁当局が 一斉調査に入ったと9日付の日本経済新聞朝刊が伝えた、松下電器産業などの 関連メーカーは売りが先行する懸念がある。

ただ、 クレディ・スイス証券は8日、民生用エレクトロニクスセクター の投資判断をアンダーウエートからオーバーウエートへ2段階引き上げた。同 証券ではクリスマス商戦の下振れ懸念が一転して上振れ期待が出てきたなどと 評価。大型銘柄ではソニー、松下電器産業などに強気としている。

半面、デジタル一眼レフなどの好調で08年3月期連結業績予想を上方修 正したニコン、9月中間期の連結純損益が黒字に転換した日立造船、リサイク ル品が特許権を侵害しているかどうかをめぐる訴訟の上告審で勝訴が確定した キヤノンなどは業績評価の買いが先行しそう。

また、バンダイナムコホールディングスはバンダイビジュアルとバンダイ ネットワークスの子会社2社を株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化す ると発表。子会社2社はTOB価格にさや寄せして上昇しそう。

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