NY外為:ドル下落-FRB議長の「顕著な減速」発言で利下げ観測(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユ ーロに対して下落。前日記録した最安値との差は1セント以下だった。バーナ ンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米経済成長は「顕著に減速する」 との見通しを示したことから、年内3度目の利下げが実施されるとの観測が強 まった。

ドルは英ポンドに対して1981年以来の安値、対スイス・フランでは 1995年以来の安値をつけた。市場参加者は金利引き下げに伴いドル建て資産 の魅力が損なわれると受け止めた。この日のドル安は、欧州中央銀行(EC B)とイングランド銀行(BOE)がともに政策金利の据え置きを発表したの が手がかりとなった。

三菱東京UFJ銀行の米国コーポレート外為セールス部門のバイスプレジ デント、ロバート・フレム氏は、「ドルは今後も投資妙味を失うだろう。米国 の経済成長見通しには不安があり、連邦公開市場委員会(FOMC)はさらに 利下げを実施する必要があるだろう」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルはユーロに対して1.4679ドル (前日は1.4637ドル)。前日は一時、1ユーロ=1.4731ドルの最安値を記 録した。ドルは円に対して112円71銭に上昇、前日は112円63銭だった。

ドルは一時、英ポンドに対して2.1117ドル、対スイス・フランでは1 ドル=1.1254スイス・フランまで下落した。円はユーロに対して0.3%下げ て165円41銭。

主要16通貨のうち、ドルに対して最も値を上げたのがノルウェー・クロ ーネ、これにスイス・フランが続いた。一方、カナダ・ドルは対ドルで0.6% 下落し、ドルに対して最も値を下げた。

人民元はドルに対して0.3%上昇し、2005年7月のペッグ(連動)制廃 止後の最高値を更新した。中国の当局者が前日、同国の1兆4300億ドル(約 161兆円)の外貨準備の構成通貨の多様化方針を明らかにしたことで、世界的 にドル売りが進んだことが背景にある。人民元は一時、1ドル=7.4211元ま で上昇した。前日遅くは7.4421元だった。

バーナンキ議長の証言

バーナンキ議長は米上下両院経済合同委員会で証言し、「概してFOMC は経済活動の拡大が第4四半期に顕著に減速すると予想していた」と語り、商 品価格やドル安が「当面は」インフレを加速させる恐れがあると述べた。

FOMCは9月と10月に利下げを実施、フェデラルファンド(FF)金 利誘導目標は計0.75ポイント引き下げられて4.5%に設定された。金利先物 市場の動向によると、12月に開かれるFOMC会合で追加利下げが決定され る確率は90%となっている。前日の確率は同70%だった。

ドルは年初から主要16通貨に対して下落、対ユーロでは10%、対英ポ ンドでは7.1%、円に対しては5.4%下落した。

米国を訪問しているサルコジ仏大統領は7日、議会で、米政府がドル下落 の流れを止めなければ貿易戦争を引き起こす恐れがあると語った。米輸出品の 競争力が高まったことで、8月の米貿易赤字は576億ドルと、今年1月以来の 最小だった。

トリシェ総裁発言

この日、2年物のドイツ国債と米国債の利回り格差は0.36ポイントと、 2004年4月以来の最大に広がった。利回り格差が広がると、米国債よりも欧 州債の投資妙味が高まる。

ECBのトリシェ総裁が引き続きユーロ圏のインフレリスクを懸念してい ると述べたことから、ユーロはさらに上昇した。

同総裁はフランクフルトでのECB定例政策委員会後の記者会見で、外為 市場について「最近、急速で激しい動きが見られた」と語り、「荒々しい通貨 の動きは決して歓迎できない」と言明した。

ECBはこの日、欧州の政策金利を4%で据え置き、BOEも同金利を

5.75%で据え置くと決定した。

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