米国債:2年債一時3.41%-FRB議長の「顕著な減速」で買い(2)

米国債相場は上昇。2年債と10年債はい ずれも2005年以来の高値に買い進まれた。バーナンキ連邦準備制度理事会 (FRB)議長が議会証言で、国内経済が「顕著に減速する」と述べたことか ら、追加利下げ期待が高まった。

株式相場が下げたほか、30年債入札で外国の中央銀行を含む間接応札に よる需要が2月以来で最高に達したことも、米国債の買いを促した。

40億ドルの課税債券を運用するイートン・バンス・マネジメントのスチ ュワート・テーラー氏(ボストン在勤)は、「この段階では不安感がすべてだ。 ファンダメンタルズもテクニカル要因も一切関係ない」と語る。「今はとにか く不安材料が多い」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時 45分現在、2年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)低下の3.50%。一時は2005年2月以降最低の3.41%まで下げた。2 年債価格(表面利率3.625%、2009年10月償還)は2/32上昇して100 1/4。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引される金利先物相場によると、12 月11日の次回FOMCで0.25ポイントの追加利下げが実施される確率は 94%とみられている。前日は70%だった。

バーナンキ米議長は米上下両院経済合同委員会で証言し、景気拡大の勢い が弱まるとの見通しを示す一方、商品価格とドル安でインフレが加速する可能 性があると指摘した。

10月FOMC

バーナンキ議長は10月31日の前回FOMCについて、景気下振れリス クとインフレリスクの両方がみられたと説明。同会合ではフェデラルファンド (FF)金利誘導目標が0.25ポイント引き下げられ、4.5%に設定された。

議長はまた、来年には経済成長が改善するとのFOMCメンバーの見方を 紹介した上で、住宅リセッションが個人消費と企業の設備投資に影響を及ぼし た場合は、「この見通しに下振れリスクがあるとの認識も示された」と述べた。

米国株式相場が下げ渋りとなったため、米国債は上値を抑えられた。S& P500種株価指数は0.1%安、ダウ工業株30種平均は0.3%安で終了した。

10年債利回りは2bp下げて4.31%。一時は2005年9月以降で最低の

4.27%まで押し下げられた。2年債利回りに対する利回り上乗せ幅は81bp と、2005年3月以来の最大。利回り格差(イールドカーブ)の傾斜拡大は金 利低下を見越して短期債の方が買われていることを示唆する。

「FOMCは出遅れ気味」

バンガード・グループ(ペンシルベニア州バレーフォージ)で320億ド ルの米国債運用を手がけるデービッド・グロック氏は、「市場はFOMCが出 遅れていると考え、もっと積極的な金融緩和が必要だとみている」と述べた。

2年債利回りはFF金利誘導目標を105bp下回っている。この格差が 105bpを上回っていたのは9月17日が最後。FOMCはこの翌日の定例会合 で50bpの利下げを決定した。

2年債先物の相対力指数(RSI、9営業日ベース)は74に上昇。前回 FOMCの際には45だった。RSIはテクニカル分析で相場のモメンタムを 計る指数。70を上回ると先物価格が下落(利回りは上昇)、30を下回ると価 格が上昇(利回りは低下)に向かう可能性を示す。2年債利回りは10月12日 以来、66bp低下した。同日のRSIは29に下げていた。

金融機関の評価損

住宅ローン関連資産の価値急落で、世界の大手銀行で発生した評価損は 400億ドル以上に達し、安全を求める資金が国債に流入した。米証券2位のモ ルガン・スタンレーでは10月末までの2カ月で37億ドル(約4170億円)の 評価損が発生した。

スタンディッシュ・メロン・アセット・マネジメント(ピッツバーグ、運 用資産1670億ドル)の債券指数マネジャー、ローリー・キャロル氏は、「次 の評価損がいつ、どの程度の規模で発表されるのか誰にも分からない」と述べ た。

米財務省が実施した30年債入札(発行額50億ドル)の結果によると、 最高落札利回りは4.666%と、2006年2月以降の最低を記録した。入札直前 の市場予想は4.67%だった。

間接応札による落札比率は31.6%。8月の12.1%から上昇した。投資 家の需要を測る指標の応札倍率は2.98倍と、2000年8月以来の最高を記録し た。新発債は前回発行の30年債と銘柄統合される。

既発30年債の価格は入札を受けて下げ渋った。利回りは1bp上昇の

4.65%。5日は2006年12月以来最低の4.57%まで下げていた。

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