米モルガンS:サブプライム評価損は4170億円-利益見通し下方修正

米証券大手モルガン・スタンレーは7日、メ リルリンチとシティグループに続き、米国のサブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン関連資産での評価損について公表した。信用市場については、 9月時点よりも悲観的な見通しを示した。

発表によると、10月31日までの2カ月で同社の資産は37億ドル(約4170 億円)目減りした。サブプライム関連証券の価格がトレーダーの予想以上に大 きく低下したと説明している。評価損は同社の2007年9-11月(第4四半期) の利益を25億ドル押し下げる見込み。

メリルとシティグループも過去2週間に、住宅ローン関連証券での評価損 を公表した。米国での住宅ローン焦げ付き急増を受けて投資家は関連資産やそ の他の高リスク資産を回避するようになった。モルガン・スタンレーのコルム・ ケレハー最高財務責任者(CFO)は、信用市場の回復には3、4四半期が必 要との見方を示した。9月に6-8月(第3四半期)決算を発表した際には1、 2四半期で回復するとの予想を示していた。同CFOは7日のインタビューで、 「回復プロセスは長引くだろう」と語り、「市場の変化は非常に激しかった。流 動性が枯渇した」と指摘した。

評価損への懸念からモルガン・スタンレー株は年初来24%下落。7日は

6.1%安の51.19ドルで終了した。シティとメリルはいずれも年初来40%余り下 落している。

評価損は、モルガン・スタンレーの第4四半期利益をすべて飲み込んでし まう恐れがある。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト予想平均で は、モルガン・スタンレーの第4四半期利益は19億3000万ドルが見込まれて いる。

マック氏

モルガン・スタンレーのジョン・マック最高経営責任者(CEO)は昨年、 住宅ローン事業を拡大させ、12月に、サクソン・キャピタルを買収した。サク ソンは住宅ローン提供に加え、債権回収などのサービサー業務も手掛けている。 今のところマック氏は、シティのチャールズ・プリンス氏やメリルのスタンレ ー・オニール氏がそれぞれCEOを辞任する前に浴びたような批判にはさらさ れていない。

フィフス・サード・アセット・マネジメントで運用に携わるジョン・フィ ッシャー氏は「驚きはない。モルガン・スタンレーの特別費用も増えるだろう し、同業他社も費用を計上しなければならないだろう」として、「取締役会と経 営陣は少しずつ、しかし確実に、予想される不良債権の規模について明らかに していくことになろう」と話した。

ドイツ銀行のアナリスト、マイケル・マヨ氏は7日、モルガン・スタンレ ーの発表前にリポートで、米国の金融機関の評価損は2007年7-12月(下期) に500億ドルに達するとの見積もり示していた。フォックスピット・ケルトン・ コクラン・キャロニア・ウォーラーのアナリスト、デービッド・トローン氏は 6日、モルガン・スタンレーが最大60億ドルの評価損を出す可能性があるとし て同社株の投資判断を引き下げていた。

最大の損失額は

モルガン・スタンレーの発表によると、サブプライムに関連した同社の想 定最大損失額は10月末時点で60億ドルと、8月時点の104億ドルから低下し ていた。想定最大損失額は、すべての証券がデフォルト(債務不履行)に陥り、 回収率がゼロだったと想定して算出する。同社は7日の発表文で、リスクのあ る「証券の適正価格は頻繁に変動するため、一段と下落する可能性もある」と している。12月に予定される第4四半期の決算発表までは、これ以上の情報は 公表しない計画だという。同四半期については、債券部門が抱えるリスクを別 にして、「他の事業は堅調な業績」との見通しを示している。

シティもメリルも、損失は当初の発表よりも膨らんでいる。フィッシャー 氏は「金融機関は問題を抱えていることを認めつつある。08年の前半、場合に よっては08年いっぱいかけて、問題の深刻さを見極めていくことになるだろう」 と話している。

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