日経平均16000円割れへ、ドル離れで全面安も-景気や業績警戒(2)

東京株式相場は大幅続落し、日経平均株価 は9月18日以来、ほぼ1カ月半ぶりとなる1万6000円割れの場面も予想され る。ドル売りを発端とする急激な円高が進行しており、輸出採算悪化による景 気・企業業績に対する懸念が高まりそう。電機、自動車など輸出関連株を中心 に幅広い業種が安くなる見込み。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「ドル資産 離れが加速する懸念が出やすい状況で、日本株もその影響を受ける」と指摘。 ドル安の進展によって、米国金融政策が米サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン問題による影響とドル安との間で板ばさみとなり、「対処する のが難しくなった」(若生氏)という。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の7日清算値は1万 5850円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万6130円)に比べて280円安 だった。

112円台へ、円キャリー解消や中国当局動向

海外時間で急速な円高が進行している。7日のニューヨーク外国為替市場 では、ドル・円相場が9月10日以来となる1ドル=112円台に突入。8日早朝 の東京時間でもこの流れを引き継ぎ、112円台前半まで円高が勢いづいている。

円高の要因は米国株安。7日の欧米市場での株価下落により、低金利の円 を調達して高金利通貨で運用する円キャリートレードが解消された。中国の当 局者が同国の保有する1兆4300億ドルの外貨準備の構成多様化計画を示唆し たことで、ドル売りが広がったことも円高を後押しした。ドルは7日に主要6 通貨バスケットに対し、過去30年間で最安値に下落した。

日本銀行の企業短期経済観測調査(9月)によると、大企業・製造業の 2007年度下期の想定為替レートは1ドル=114円33銭(2007年度は115円20 銭)。現在の円高水準は輸出企業の想定を下回る水準で、採算悪化による下期 の企業業績への影響が懸念される。ドル安によって米金融政策の舵取りが困難 になれば、米国景気の先行きも不透明感が強まる。このため自動車や電機、機 械などの輸出関連株のほか、輸出が支えている国内景気への不安も高まって幅 広い業種で売りが膨らむ可能性がある。

米国株は急落

7日の米株式相場は大幅反落した。米ニューヨーク州司法長官が住宅ロー ン金融をめぐる談合問題で調査を拡大したことが明らかになったことに加え、 自動車最大手、ゼネラル・モーターズGM)が7日発表した7-9月(第3四 半期)決算は創業以来最大の赤字だったことも響いた。

S&P500種株価指数は前日比44.65ポイント(2.9%)安の1475.62、ダ ウ工業株30種平均は同360.92ドル(2.6%)安の13300.02ドル、ナスダック 総合指数は76.42ポイント(2.7%)安の2748.76。ニューヨーク証券取引所の 騰落率は約1対12で、ほぼ全面安の展開だった。

ダウ工業株30種平均は7日の急落により、終値では9月18日の大幅利下 げが行われる前の水準(17日終値1万3403ドル)を初めて割り込んだ。

一方、セントルイス連銀のプール総裁は7日、「現在の状況を鑑みると住 宅市場の低迷が他の部門に広がる可能性があり、そうなった場合、最近実施し た利下げが相殺される、あるいは追加利下げが必要な状況さえ生じる可能性が ある」と述べた。住宅市場悪化による追加損失への警戒も高まった。

テクニカルやバリュエーションが下支え

もっとも、きょうの東京市場は売り一巡後に下値を買う動きから下げ渋る 可能性もある。日経平均株価は4日間の続落期間中に4.6%下落した。東証1 部の騰落レシオ(25日)が7日には81%まで低下した。同レシオは経験的に 70%以下が「売られ過ぎ」とされ、テクニカル面からは自律反発しやすい状況 となっている。

また、日経平均の1万6000円割れは「今期予想ベースでPER(株価収 益率)が16倍台に入ってくる水準」(野村証・若生氏)。テクニカルとファ ンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の両面からは株価の下支え要因になりや すいとみられる。

機械受注は減少見通し

取引開始前には9月の機械受注が発表される。ブルームバーグ・ニュース の予測調査によると、9月は前月比1.5%減少と2カ月連続でマイナスが見込 まれている。同時に発表される10-12月見通しは、景気拡大のけん引役とし て期待されている設備投資の07年度後半の回復を占う上で注目される。

CSKHDや新日鉱HD、三菱銅など安い

個別では、9月中間期の連結純利益が従来予想を下回ったCSKホールデ ィングス、9月中間期連結純利益が前年同期比30%減と落ち込んだ新日鉱ホー ルディングス、08年3月期の業績予想を引き下げた三菱伸銅、07年12月期の 業績予想を下方修正したアサツー ディケイなどに業績失望売りが増加する見 込み。

半面、08年3月通期の業績予想を上方修正したトヨタ自動車、9月中間期 の連結純利益が従来予想を上回ったシチズンホールディングス、9月中間期の 連結純損失が縮小したもようのNECエレクトロニクスなどは業績評価の買い が株価の下値を支えそうだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE