米社債市場:トグル債発行が再び活発化-サブプライム懸念後退反映か

高利回り・高リスクのジャンク債市場でも最 もリスクの大きい社債が突然、人気を集めている。資金の借り手が利払いを現 金か新たな借入金で行うことができる「トグル債」の発行が急増している。

ブルームバーグのデータによると、トグル債の起債がここ6週間でおよそ 44億ドル(約5030億円)に達している。米サブプライムローン(信用力の低い 個人向け住宅融資)問題のあおりで世界の信用市場が動揺し、7月にはトグル 債需要が落ち込み、価格は額面1ドルに対し最大16セント安となっていた。

米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが、住宅ローン関連 の損失が今後5年間で最大2500億ドルに膨らむと予想する一方で、トグル債市 場の持ち直しは、投資家らが景気拡大は続き、企業のデフォルト(債務不履行) は25年ぶりの低水準付近にとどまると見込んでいることを示唆している。

エバーグリーン・インベストメント・マネジメント(ボストン)で16億ド ル相当の運用を担当する上級ポートフォリオマネジャー、マーガレット・パテ ル氏は「トグル債の発行が多ければ、市場のリスク懸念が大き過ぎないことを 示している」と話す。

ブルームバーグのまとめによれば、トグル債は10月の新規高利回り債199 億ドルの約18%を占めた。今年1-6月期の平均8%を上回る割合だ。インデ ィアナ州の自動車部品メーカー、アリソン・トランスミッションや米投資会社 コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)などが買収したダラスに本社を 置く電力会社エナジー・フューチャー・ホールディングス(旧TXU)などが トグル債を発行した。

LBO

ブルームバーグの調べでは、最初のトグル債は、米高級百貨店ニーマン・ マーカス・グループが2005年に発行した7億ドルの10年物社債(表面利率9%)。 米投資会社のウォーバーグ・ピンカスとTPGが所有するニーマンは、表面利 率に75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を上乗せすることで、利払 いを現金ではなく借入金で行うことができる。

高利回り債調査会社フリッドソンビジョンのマーティン・フリッドソン最 高経営責任者(CEO)は「短期間のうちに、トグル債はレバレッジド・バイ アウト(LBO)の標準的な資金調達法となった」と述べる。

買収相手の資産を担保に買収資金を借り入れるLBOを活用する投資会社 は、金融市場が問題を抱えているときに大きな柔軟性を発揮するため、トグル 債発行でより高い利子を支払う意向があるという。

トグル債に絡んだ今年のLBOの5大案件には、エナジー・フューチャー に社名を変更したTXUとクレジットカード決済サービス大手、ファースト・ データが含まれる。KKRは9月にファースト・データを260億ドルで買収し た。

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