NY外為:ドルが対ユーロで最安値、景気不安で米利下げ観測強まる

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロ に対して最安値まで下落。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロー ンのデフォルト(債務不履行)で金融機関の損失が拡大、連邦公開市場委員会 (FOMC)は今年3度目の利下げに踏み切るとの見方が広がった。

米ドルは主要16通貨のうち15通貨に対して下落した。クロズナー米連邦準 備制度理事会(FRB)が5日、米国のサブプライム住宅ローン市場の状況は悪 化する恐れがあるとの見方を示したのがドルの売りを誘った。ドルは高利回り 通貨のブラジル・レアルや南アフリカ・ランドに対してそれぞれ0.8%と1.3% 下落した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル・マーケット・グループ で世界戦略を担当するサマルジット・シャンカー氏は、「ドルは経済成長と金 利格差から下落している。米国はサブプライム問題の震源地だ」と語る。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルはユーロに対して1.4554ドル。一時は 最安値の1.4570ドルを記録した。前日は1ユーロ=1.4469ドルだった。円はユ ーロに対して166円93銭と前日の165円73銭から下落した。

ドルはカナダ・ドルに対しても1.0852ドルの最安値を記録。前日は1.0714ド ルだった。対英ポンドでは一時26年ぶり安値の2.0907ドルまで下げた。円に 対してはほぼ変わらずの1ドル=114円70銭。前日は114円55銭だった。

ドル相場見通し

英RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、アダム・コール氏は6日発 表の顧客向けリポートで、来年3月までにドルは対ユーロで1.48ドルをつける と予想、従来の同1.44ドルの見通しから修正した。またカナダのスコシア・キ ャピタルは、来年3月のドル相場は対ユーロで1.54ドル、対英ポンドで2.14ド ルまで下げているとの予想を示した。同社の従来見通しではそれぞれ1.44ドル と2.06ドルだった。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト42人の予想平均ではドル は来年6月までにユーロに対して1.40ドルをつけると見込まれている。

シティグループはサブプライムローン関連の投資で最大110億ドルの評価損 を追加計上する可能性があると発表したほか、メリルリンチは84億ドルの評 価損を発表した。

米フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーのアナ リスト、デービッド・トローン氏は、米モルガン・スタンレーが住宅ローンや 関連証券での評価損として60億ドルを計上する可能性があると述べた。モル ガン・スタンレーの広報担当はコメントを避けた。

クロズナーFRB理事はバージニア州アーリントンで講演し、「サブプライ ムの借り手の状況は改善するより前に、まず悪化する可能性がある」と語った。 またイングランド銀行のキング総裁は6日、英BBC放送のラジオ番組でイン タビューに応じ、民間銀行が米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプラ イムローン)関連の損失を完全に公表するまでには数カ月かかる可能性がある との見方を示した。

ドルはもう高利回り通貨ではない

BNPパリバの為替ストラテジスト、シャラダ・セルバナサン氏は、「市場 参加者はもう、米ドルが高利回り通貨だとはみていない。彼らはむしろ、ファ ンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)がより堅調で、より高い利回りが期待 できる国の通貨に乗り換えている」と語る。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場動向によると、12月11日の次回 FOMCで0.25ポイントの利下げが実施される確率は62%と、1カ月前の 6%から上昇した。ブラジルの政策金利は11.25%、南アフリカは同10.5%と なっている。

ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想では、調査対象となった61 人全員が今月8日に開かれる欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会では政 策金利が4%で据え置かれると予想している。

円は主要16通貨すべてに対して下落。特にブラジルのレアルに対しては 1%安、対ニュージーランド・ドルでは1.2%下げた。

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