小沢民主代表が辞意撤回、もう一度頑張る-党内外の影響焦点(4)

民主党の小沢一郎代表は6日夜、4日に表 明した辞意を撤回し、代表職にとどまる方針を固めた。鳩山由紀夫幹事長らが6 日夜に都内で小沢氏と面会して前日に続いてあらためて慰留し、小沢氏が最終的 に受け入れた。

小沢代表は7日午後4時半からの同党両院議員懇談会で代表職にとどまる方 針を正式に表明し、その後に記者会見を行って続投の決意を表明する。鳩山氏が 党本部で記者団に明らかにした。

鳩山氏によると、小沢代表は①大変ご苦労をかけたが感謝している②本当に 恥をさらすようだが皆さんの意向を受けてぜひもう一度頑張りたい-と述べたと いう。

小沢氏が辞意を撤回したことが民主党内外に与える影響が焦点となる。首相 が延長する方針を表明した臨時国会(10日会期末)の会期延長の期間や、政府が 今臨時国会で最重要課題と位置付ける新テロ対策特別措置法案の取り扱いなどが 注目される。

また2007年末の2008年度税制改正大綱と08年度予算案の取りまとめに 向けた与野党双方の対応、さらには約1年10カ月以内に実施される衆院選での有 権者の投票行動に関心が集まる。

山口二郎北海道大学大学院法学研究科教授(政治学)は「民主党が衆院選に 勝ったら小沢氏が首相になるということだ。政治家として信用できない人が次の 首相になると有権者は引いてしまう」と分析。「民主党政権は無限大に遠のき、 福田首相にとっては民主が勝手にころんでくれたことになる」と語った。

その上で山口教授は「小沢続投は民主にとって破滅的だ。小沢氏が大連立に ふらついて、辞めると言った瞬間、小沢時代は終わった」と語った。

連立「望ましくない」が56%-共同世論調査

共同通信が6日報じたところによると、共同が5、6両日に実施した緊急全 国電話世論調査で、首相が小沢氏に提案した自民、民主両党の連立政権構想につ いて、「望ましくない」が56.4%を占め、「望ましい」の25.8%を大きく上回 った。民主党が連立提案を拒否したことに関しては「受け入れなくてよかった」 が55.9%と半数を超えた。小沢代表が辞意を表明したことについて「適切ではな かった」が58.4%で、「適切だった」は30.5%にとどまったという。

この共同の世論調査によると、福田内閣の支持率は10月27、28両日の前 回調査に比べ3.2ポイント減の47.0%に低下。不支持は7.0ポイント増えて

36.6%だった。

鳩山氏は6日午前、党本部での役員会で、「続投を受けてもらえるものと思 う」と述べ、小沢代表が続投を決断することに強い期待を示していた。

民主党は6日午前に役員会、常任幹事会を相次いで開き、小沢代表に続投を 求める方針を全会一致で了承。鳩山氏ら3役は6日午後2時から当選期別で同党 所属の衆参両院議員との懇談会を相次いで開き、小沢代表続投の方針に異論がな いかを確認した上で、同日夕にも小沢代表に続投をあらためて求める。鳩山氏が 常任幹事会後、党本部で記者団に明らかにした。

鳩山氏は常任幹事会後、記者団に、「できるだけ早期決着を図りたい」と語 り、6日中の小沢氏続投を決めるべく全力を挙げる考えを示した。その上で、 「ぜひ小沢代表に続投してもらいたい。体制を一致団結して衆院選に勝ち、政権 交代を選挙で勝ち取ろうということを皆で誓い合った」と強調した。6日午前の 役員会、常任幹事会では「全員が『小沢代表続投せよ』という強い意見で、異論 はなかった」と説明した。

鳩山氏が記者団に明らかにしたところによると、鳩山氏と菅直人代表代行、 輿石東参院議員会長の3人が5日夕に小沢代表と面会。鳩山氏は「連立にこだわ るわけではなく、衆院選に勝つ体制を作るのが何よりも大事だ。そのことによっ て政権交代を実現して民主党政権を作りたい」した。これに対して小沢代表は、 辞職願提出は前日の話であり心の整理に若干の時間がほしい、と回答を保留した。

小沢氏は2日の2回目の党首会談で、福田康夫首相(自民党総裁)から自民、 公明の連立与党の枠組みに民主党を加える「大連立政権」樹立を打診され、党内 外の混乱を招いたとして4日に記者会見を行って辞意を表明していた。

「けしからん」-恒久法・新テロ法案の首相主張

鳩山氏は6日午前、党本部で記者団に、恒久的に自衛隊の海外派遣を可能に する一般法(恒久法)の制定や、政府が国会に提出した新テロ対策特別措置法案 の取り扱いをめぐり、小沢氏と福田首相の主張に食い違いが出ていることについ て、「自民党、政府のほうが、党首会談で触れたはずの自衛隊派遣の原理・原則 について小沢民主党の考え方を受け入れたはずなのに、反故にしようとしている。 けしからんのは自民党、福田政権だ」と語り、福田首相を強く批判した。

小沢氏は4日、辞意表明の記者会見で、2日の福田首相との党首会談につい て、福田首相が①自衛隊の海外派遣は国連安保理か国連総会の決議によって認め られた国連活動への参加に限ることとして、特定の国の軍事作戦の支援活動を行 わない②連立が成立するなら新テロ特別措置法案の成立にこだわらない-と「確 約した」と説明した。

これに対して福田首相は5日、記者団に、「今のテロ新法を何とか可決して いただきたい。インド洋における給油活動、これは国際協力の一環としてぜひや りたい。一貫してそのように考えている」と語り、小沢氏の主張と食い違いがあ ることについては「メモをいちいち取っているわけではないので、思いが違うこ とはあるかもしれない」と述べた。

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