日本株(終了)小幅続落、米景気警戒くすぶり輸出安い-金融株が反発

東京株式相場は、小幅ながら3日続落した。 米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による米景気への影 響が警戒され、ホンダやソニーなど輸出関連株が売られた。海外からの資金流 入が細るとの見方から、不動産株も安い。

6日の香港市場でアリババ・ドット・コムが上場、保有株式の値上がりが 期待されていたソフトバンクが午後に急落したことも、日経平均の押し下げ要 因。ソフバンク株の急落は新興市場にも波及し、東証マザーズ指数は午後一段 安で前日比6.6%安と今年2番目の下落率を記録した。

損保ジャパン・アセットマネジメントの木谷徹シニア・インベストメン ト・マネージャーは、「米景気減速による下期業績への影響を考えた場合、国 内企業業績のモメンタムが中間期でピークアウトしたかを見極める必要があ る」と話している。

日経平均株価の終値は前日比19円29銭(0.1%)安の1万6249円63銭、 TOPIXは0.54ポイント(0.03%)安の1574.59。東証1部の売買高は概算 で19億7104万株、売買代金は2兆6515億円。値上がり銘柄数は1016、値下 がり銘柄数は588。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が19、値下がり業種が14。 銀行、鉄鋼、卸売、その他金融、海運が高い。半面、輸送用機器、電気機器、 医薬品、不動産、懸念が安い。

方向感欠く、米ローン問題の先行き警戒

外部要因の不透明感から、方向感を欠く相場展開となった。米モルガン・ スタンレー証券の証券投資に関する損失観測の高まりから朝方は下落して始ま ったものの、その後は前日比プラスに転換。ただし午後には前日終値をはさん で上下に振れるなど、相場の気迷いを象徴する1日となった。指数は下落した ものの、値上がり銘柄数については値下がり銘柄数を上回った。

高安がまちまちとなる中、総じて下げたのは輸送用機器や電気機器、機械 などの輸出関連株。5日にはクロズナー米連邦準備制度理事会(FRB)理事 がサブプライム住宅ローン市場の状況は悪化する恐れがあると指摘。ドイツ銀 証券は住宅市場の低迷により、小売各社は2008年終わりまで利益が圧迫され るとの見通しを示していた。

損保ジャパンアセットの木谷氏は、ムーディーズがCDO(担保債務証 券)の格下げを10月に行った経緯について振れ、「米投資銀行は9-11月決 算でも米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の評価損が出 てくる可能性がある」と指摘。米金融機関に対する懸念が払しょくされない限 り、相場の方向性は出にくいと見ている。

また、米国時間6日には利下げ実施後に初のバーナンキFRB議長の講演 も控えている。年内の利下げの可能性を探る上で、議長の金融政策に対する考 えを確認したいとして、見送りムードも強かった。

フジクラや不祥事関連株が急落

個別では、電子電装事業での価格競争激化などから9月中間期の連結純利 益が従来予想を下回ったフジクラが値幅制限いっぱいのストップ安。9月中間 期の連結純利益が予想を下回ったようだと発表した日清オイリオグループ、9 月中間期の連結純損益が赤字に転落したもようの東都水産も急落した。9月中 間期の連結営業利益が10%の減益となった牧野フライス製作所は取引終了にか けて大きく売られた。

不祥事関連株も軒並み安となった。硬質ウレタン製断熱パネルの一部製品 について国土交通相の防火認定を不正取得して販売していた東洋ゴム工業は、 ストップ安まで売り気配値を切り下げたまま取引が成立せず終了。断熱材の耐 火性能を巡っては先月30日に偽装が発覚したニチアスも5日連続のストップ 安。時事通信などが「公正取引委員会が子会社に独占禁止法違反の疑いで立ち 入り検査に入った」と報道した三菱マテリアルは午後に一段安となった。

金融や商社など上昇

一方、株価指数が続落する中で、銀行株とその他金融株については上げが 目立った。ゴールドマン・サックス証券では、足元で消費者金融会社の利息返 還金の発生が安定しているとし、今年度下期からは減少基調に移行すると予想。 武富士とアコムの投資判断を「買い」に引き上げた。消費者金融の業績と株価 の過度の悲観論が後退したことで、その他金融株指数は東証1部業種別上昇率 2位と急伸し、銀行株も上げた。

みずほ投信投資顧問の有村秀夫シニア・ファンドマネジャーは、「その他 金融に対するポジティブな見方が一部に出たことで、銀行株はその他金融株の 減損リスク後退が買い材料視された」との認識を示した。

また、商社株や海運株など好業績銘柄も堅調。新光総合研究所によると、 前週末2日時点の3月本決算企業の9月中間期経常利益は前年同期比10.6%増 で、事前予想である3.1%増を上回る。3月期決算企業の9月中間決算が前年 同期比2けた増と伸びており、「いずれ足元の業績の堅調ぶりが見直されると して相場の下支え要因になっている」(丸三証券の牛尾貴投資情報部長)。

ドワンゴがストップ高

個別では、08年3月期業績予想を増額修正した明和産業は急騰して東証1 部値上がり率首位となった。メリルリンチ日本証券が目標株価を50万円に引 き上げたドワンゴはストップ高で同2位。9月中間期業績が従来予想に比べて 上振れした日本光電、住友電気工業が株式公開買い付け(TOB)を通じて子 会社化すると発表した日新電機もそれぞれ急伸。モルガン・スタンレー証券が オーバーウエートで調査開始したドトール・日レスホールディングスも大幅高。

MSCIが定期見直し

東京時間6日早朝、世界的な株価指数であるMSCI(モルガン・スタン レー・キャピタル・インターナショナル)からスタンダード・インデックスに おける四半期定期組み入れ銘柄見直しが発表された(指数への反映は11月30 日終値段階)。定期見直しでは、追加4銘柄(コスモ石油、大和工業、アーバ ンコーポレーション、スクウェア・エニックス)、除外5銘柄(東洋紡績、住 友ベークライト、パーク24、大日本スクリーン製造、日立キャピタル)。

大和総研によると、このほか新基準を適用した銘柄への株価インパクトは、 プラスがスズキ、いすゞ自動車、日本興亜損害保険、三菱自動車、中国電力な ど。半面、同マイナスはグローリー、メイテックなど。

新興市場は午後に一段安

新興市場もそろって下落した。ソフバンクが午後になって急落するととも に投資家心理が悪化し、同社株に連動しやすい新興市場株に売りが膨らんで一 段安となった。ジャスダック指数の終値は前日比1.05ポイント(1.4%)安の

75.80と6日続落。携帯関連大手の競争激化懸念も加わった東証マザーズ指数 は61.31ポイント(6.6%)安の864.83と続落し、3月5日(前日比7.4% 安)に次いで今年2番目の下落率となった。大証ヘラクレス指数は40.27ポイ ント(3%)安の1318.05と4日連続安。

ジャスダック市場では、楽天やインデックス・ホールディングス、エイチ アイ、オプトなどが下落。エムティーアイ、ビックカメラが上昇した。東証マ ザーズ市場では、米グーグルが携帯電話向けに基本ソフトを開発すると発表し たことで競争激化が警戒されたACCESSがストップ安となり、ミクシィや サイバーエージェントなどネット関連が下げた。半面、オー・エイチ・ティー、 アプリックスが上げた。

大証ヘラクレス市場では、米金融機関の信用不安問題から国内不動産市場 への資金流入が細ると見られたダヴィンチ・アドバイザーズやアセット・マネ ジャーズなど不動産関連株が安い。一方、ターボリナックスやデジタルアーツ は高い。

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