三井住友FG:船舶ファイナンスを拡大-海外担当者40人に倍増へ(2)

三井住友フィナンシャルグループは船舶の 建造資金向け融資事業を拡大する。世界的な海運市況の活発化で増える資金需 要の獲得に向け、中国・上海での窓口新設の検討も含め海外担当者を今後3年 で40人規模に倍増する方針だ。協調融資の取りまとめ役でも世界トップ5入り を目指し、国際業務における邦銀の存在感の向上を狙う。

三井住友銀行・船舶ファイナンス室の鵜狩洋平営業推進グループ長は「船 舶建造の強い資金需要は今後も続く。空前の船舶ブームでエクスパティーズ (専門性)を持った人材が足りない状況だ」と強調。海外とは別に国内でも支 店ごとの対応から本店に機能を集約するため2006年11月に設置した船舶ファ イナンス室の人員20人の増員も検討していることを明らかにした。

1隻の融資額3年前の3倍に

中国の粗鋼生産拡大などを背景に船舶建造費は増加傾向にあり、大型の 「ケープサイズ型」では3年前には1隻あたり40億円だった融資額が現在は 120億円と3倍に拡大しているという。こうした中、三井住友FGは国内の企 業向け貸し出しの伸び悩みを補うため海外事業の強化を進めており、今期から の新中期経営計画でも船舶ファイナンス事業重視を掲げている。

鵜狩グループ長によれば、船舶ファイナンスの専門チームは01年にロンド ン、04年にはパリで立ち上げた。旧クレディ・リヨネ(現・仏カリヨン銀行) から専門家3人を引き抜いている。9月にはシンガポールに担当者2人を置く など海外では6拠点で20人の人員を抱える。5年前から本格展開し、累積融資 額は約5000億円に上る。

市場に「三井住友」のプレゼンス

野村証券の守山啓輔シニアアナリストは、三井住友の船舶ファイナンス事 業について「規模として収益への影響が大きいビジネスではないが、プロジェ クト・ファイナンスなどストラクチャードファイナンス部門全体で利益を積み 上げていく戦略だろう」とみる。その上で「三井住友銀は船舶ファイナンスで のノウハウがあり市場の中でもプレゼンスはある」と指摘している。

船舶の供給は中国の粗鋼生産拡大などによる資源輸送の需要の伸びに追い つかない状態。鉄鉱石や原料炭を運ぶばら積み船運賃の指標となるバルチック 海運総合指数は3年前に比べて2倍超の歴史的な高水準にあり、これに伴い船 舶建造費も拡大している。米専門誌によると三井住友は06年には船舶ファイナ ンスの取りまとめ役として7位と邦銀で初の世界トップ10入りを果たした。

三井住友FGの株価は午前9時48分現在、前日比7000円(0.8%)高の 85万3000円。

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