シティはルービン氏の危機対応能力に期待-一方で連帯責任を問う声も

米シティグループが新会長としてロバー ト・ルービン元財務長官(シティ経営委員会会長)に白羽の矢を立てたのは、 ウォール街と米政府の両方で危機対応の経験が豊富な同氏の力量が、シティを 現在の痛ましい境遇から救い出してくれるとの期待があるからだ。

資産規模で米最大手のシティグループは4日、サブプライム(信用力の低 い借り手向け)ローンに関連した評価損で最大110億ドルを追加計上する見通 しを示すとともに、チャールズ・プリンス会長兼最高経営責任者(CEO)の 辞任を発表した。シティの株価は年初来で32%下落。ルービン氏と、暫定CE Oに指名されたウィン・ビショフ氏の肩には投資家の信頼回復という責務が伸 し掛かる。

ルービン氏にとって、火消しは得意とするところだ。証券大手ゴールドマ ン・サックス・グループ副会長時代の1987年には、インサイダー取引スキャ ンダルの渦中にあった同社の軌道修正を指揮した。またクリントン政権で財務 長官を務めていた1995年には、メキシコの財政危機救済を指導し、デフォル ト(債務不履行)の回避に貢献した。

ウッド・アセット・マネジメント(フロリダ州サラソタ)のグローバルス トラテジスト、ロバート・ストバル氏はルービン氏について、「モハメッド・ アリよりも、たくさんのパンチをうまくかわした人物だ」と語る。「世界中で 高い評価を受けており、特に危機の対応では卓越した才能がある」と付け加え た。

またシティ株を含む7億2000万ドルの資産を運用するジョンソン・イリ ントン(ニューヨーク州オールバニ)のヒュー・ジョンソン会長は、「ルービ ン氏はシティが新CEOを波乱なく探せるよう、同社に一息入れる余裕を与え た」と語った。

シティの「相談役」

ルービン氏は1999年に財務省を後にして以来、ウォール街企業のCEO 職に就くチャンスが十分にあると考えられていた。しかしながら実際のところ、 同氏は経営陣への「相談役」と自ら称する経営委員会会長としてシティに参加 し、サンフォード・ワイル氏、プリンス氏の二代のCEOの補佐役に徹した。

この関係を理由に、ルービン氏のシティ会長としての適性に疑問を示す意 見もある。

マンハッタン・カレッジ(ニューヨーク州リバーデール)のチャールズ・ ガイスト教授はルービン氏について、「問題には直接関与しなかったにせよ、 何ら公に批判したことはなかったため、ある種の連帯責任はある」と述べた。

格付け会社のフィッチ・レーティングスは5日、シティの追加評価損への 懸念を理由に信用格付けを引き下げた。スタンダード&プアーズも「AA」の 長期格付けを引き下げ方向で見直すと明らかにした。

ルービン氏が米財務長官を務めた5年間、米国の財政収支が数十年ぶりに 黒字に転換したほか、メキシコ経済が深刻な危機を回避、1997年と98年と相 次いぐ通貨危機にも世界経済は持ちこたえた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE