日本株は続落見通し、米金融不安残り銀行や輸出安い-資源軟調(2)

東京株式相場は続落する見通し。米サブプ ライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響に対する不安から、銀 行などの金融株や輸出関連株に売りが継続するとみられる。為替の円高傾向に よる採算悪化懸念も、輸出関連株の株価を押し下げることになりそうだ。

ファンドクリエーションの木下晃伸インベストメントアナリストは、「米 サブプライム問題の影響で、世界の株価や資源価格を押し上げてきたマネーフ ローに変調が起こる可能性がある」と警戒している。マネーフローが逆回転す るような事態となれば、日本株も影響は避けられず、「日経平均株価は1万 5500円程度までの下落が想定される」(同氏)という。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の5日清算値は1万 6205円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万6300円)に比べて95円安だ った。

米モルガンSにも評価損計上の観測

米金融専門局CNBCは5日、匿名の情報源に基づき、モルガン・スタン レーが証券投資に関連して30億ドル(約3434億円)の評価損を計上すると報 じた。住宅市場の悪化で金融機関の損失拡大への懸念がいまだ収まらず、5日 の米国株市場ではモルガンSをはじめ、ゴールドマン・サックス、シティグル ープなど金融株が下げた。

クロズナー米連邦準備制度理事会(FRB)理事は5日、バージニア州ア ーリントンで講演し、米国のサブプライム住宅ローン市場の状況は悪化する恐 れがあると指摘。住宅価格は2008年に入っても「軟調」な状態が続くとの見 通しを理由に挙げた。また、ドイツ銀証券は住宅市場の低迷により、小売各社 は2008年終わりまで利益が圧迫されるとの見通しを示した。

米国株の終値はS&P500種株価指数が前週末比7.48ポイント(0.5%) 安の1502.17と10月19日以来の安値。ダウ工業株30種平均は同51.70ドル (0.4%)安の13543.40ドル、ナスダック総合指数は15.20ポイント (0.5%)安の2795.18。

欧州でも金融株安、円キャリー解消の動き

5日の海外市場では、欧州株式市場でもアナリストによる投資判断の下方 修正からソシエテ・ジェネラルやクレディ・スイス・グループなどが下落。世 界的に金融株からの資金流出が続いていることで、東京市場でも海外投資家の リスク許容度低下から金融株には売りが先行する恐れがある。

また、住宅問題の深刻化による米個人消費への不透明感は、米国依存度の 高い輸出関連株にも影響を与えそうだ。外国為替市場では米サブプライム問題 への警戒から投資家のリスク許容度が低下し、低金利の円で資金を調達し、高 金利通貨で運用する円キャリー取引の解消が進んだ。海外時間でドル・円相場 は1ドル=114円3銭と10月29日以来の円高水準となった。

原油下落、香港急落の影響も

5日のニューヨーク原油先物相場は前週末比1.95ドル(2%)安の1バ レル=93.98ドルと反落した。クルド人武装勢力がトルコ兵8人を解放したた め、トルコがイラク北部にある同勢力の拠点を攻撃する可能性が後退し、売り が優勢になった。ロンドン金属市場の銅も下落。

また、5日の東京株式市場の通常取引終了後、香港ハンセン指数などアジ ア株式市場が一段安となった。原油販売価格の低下に加え、アジア需要の先行 き不透明感もあり、大手商社株や非鉄金属株には売りが先行する可能性がある。

5日の香港株式市場では、本土の個人投資家が香港株を直接買い入れるこ とを容認する試験プログラムを中国当局が遅らせるとの懸念が広まり、ハンセ ン指数の終値は先週末比5%安と、2001年9月11日の米同時多発テロ後で最 大の下げとなった。

フジクラや洋ゴムなど下落公算

個別では、電子電装事業での価格競争激化などから9月中間期の連結純利 益が従来予想を下回ったフジクラ、07年9月期連結純損益が一転して赤字にな ったもようのフルキャスト、9月中間期の連結純利益が予想を下回ったようだ と発表した日清オイリオグループなどに業績悪化による失望売りが先行しそう。

壁や天井用の硬質ウレタン製断熱パネルの一部製品について、国土交通相 の防火認定を不正取得して販売していたことが社内調査で分かったと発表した 東洋ゴム工業も、業績への影響が懸念されて売りが膨らみそうだ。

半面、製品構成の良化などから9月中間期連結純利益が従来予想比2.9倍 に上振れしたサンケン電気、9月中間期の連結純利益が従来予想と比べ8倍と なったもようの大氣社、9月中間期の連結営業利益が前年同期比48%増となっ たメガチップスなどは業績評価の買いから堅調となる見込み。

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