米国株:下落、金融株が軟調-シティグループやメリルリンチに売り

米株式相場は下落。米銀最大手のシ ティグループがサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンと関 連証券に絡み、最大でさらに110億ドル(約1兆2600億円)の評価損が 発生する見通しを明らかにした。これを受けて、金融機関がサブプライ ム住宅ローン絡みでさらに損失を拡大する可能性があるとの懸念が高ま った。

シティは5営業日続落。費用増大で利益が最大70億ドル減少すると 明らかにしたことが嫌気された。モルガン・スタンレーとメリルリンチ、 ゴールドマン・サックス・グループもそろって下げた。証券各社が過去 4カ月間に明らかにした400億ドルを上回る評価損を計上するとの観測 が広がった。

住宅関連用品小売り大手のホーム・デポと同業のローズが下落。小 売業者からなる指数は過去1年間で最低水準に下げた。ドイツ銀証券が 住宅市場の低迷で、小売各社は2008年終わりまで利益が圧迫されるとの 見通しを示したことが嫌気された。

S&P500種株価指数終値は前週末比7.48ポイント(0.5%)安の

1502.17と、10月19日以来の安値を付けた。ダウ工業株30種平均は同

51.7ドル(0.4%)下落し13543.40ドル。ナスダック総合指数は15.2 ポイント(0.5%)下げて2795.18で終了した。ニューヨーク証券取引所 の騰落率は約1対3。アジアならびに欧州でも金融機関の下げが中心と なり、株価指数は軟調だった。

トラスコ・キャピタル・マネジメント(バージニア州リッチモン ド)のシニア投資ストラテジスト、アラン・ゲイル氏は「金融業界は第 3四半期決算で金融危機が終結するとの期待があったが、そうではない ことが明らかになりつつある」と述べた。

減益決算

信用市場での損失から金融機関の四半期利益はブルームバーグ・ニ ュースが統計を取り始めた1997年以来最大の減益となっている。第3四 半期決算を既に発表しているS&P500種構成銘柄の平均減益率は22%。 ブルームバーグがまとめた調査によるとアナリスト予想は4%の減益だ った。

米金融専門局CNBCがゴールドマン・サックスはサブプライム関 連債務から発生する追加の評価損を報告するとの観測を否定したと報道。 これを受けて株価の下落分は縮小した。

株価はこの日、世界的に軟調だった。パキスタンのムシャラフ政権 が非常事態を宣言していることも下げ要因となっている。

シティグループは前週末比4.9%安と、03年4月以来の最安値。シ ティは4日、チャールズ・プリンス最高経営責任者(CEO)の辞任を 発表した。米格付け会社フィッチレーティングスは5日、米銀大手シテ ィグループの信用格付けを引き下げた。米スタンダード・アンド・プア ーズ(S&P)も格下げ方向で見直していることを明らかにした。シテ ィグループはまた、米証券取引委員会(SEC)に提出した文書で、7 ―9月期(第3四半期)決算の1株利益を3セント下方修正した。

モルガン、メリル

モルガン・スタンレーは前週末比5.6%下落。CNBCは匿名の関 係者を引用し、同社が証券絡みで30億ドルの評価損を計上すると報じた。 これによると、モルガン・スタンレーはその額を現在、見極めている。 モルガンの広報担当者マーク・レイク氏はコメントを控えた。

メリルリンチも下落。リーマン・ブラザーズのアナリストらは、評 価損が拡大する可能性があるため、メリルの株式投資判断を「オーバー ウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。ゴールドマン・サ ックスも安い。

クロズナー米連邦準備制度理事会(FRB)理事は5日、バージニア 州アーリントンで講演し、米国のサブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン市場の状況は悪化する恐れがあるとの見方を示した。住 宅価格は2008年に入っても「軟調」な状態が続くとの見通しを理由に挙 げた。

S&P500種業種別の金融株からなる指数は前週末比1.4%下落と、 最も軟調だった。

不透明感の持続

オークブルック・インベストメント(シカゴ)のヘッドトレーダー、 ジリ・チェルクーリ氏は「不透明感がまだ存在しており、このために金 融セクターが軟調な展開となっている」と述べた。さらに、「今後も悪 材料が出てこよう」と語った。

ホーム・デポとローズを中心に小売株が下げた。ドイツ銀は小売株 の投資判断を引き下げるとともに、住宅リセッションを理由に07年度と 08年度の利益見通しを下方修正した。S&P500種の業種別で小売業者 からなる指数は前週末比2%下げ、06年8月以来の最低水準となった。

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