米国債:10年債下落、利回り4.34%-信用市場の懸念が緩和

米国債市場では10年債が下落。サブプラ イム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連損失への懸念が緩和し、売りが 優勢になった。

ゴールドマン・サックスが評価損計上のうわさを否定したと経済専門局C NBCで報じられたため、株価は下げ渋った。米供給管理協会(ISM)が発 表した10月の非製造業景況指数は予想外に前月から上昇。住宅不況が経済全 体にほとんど悪影響を与えていないことを示唆した。

ドレスナー・クラインオートの米国債トレーディング責任者トーマス・ロ ス氏は「債券市場が恐れているのは状況が改善することだ。経済指標は最近、 非常に堅調だ」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 38分現在、10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)上昇の4.34%。10年債価格(表面利率4.75%、2017年8月償 還)は6/32下げて103 1/4。

ISMが発表した10月の非製造業景況指数は55.8となり、前月の54.8 から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 (54.0)を上回った。同指数は50が景気の拡大と縮小の境目を示す。

RBCキャピタル・マーケッツのトレーダー、ショーン・マーフィー氏は 経済指標の発表がないため「あすは株価と評価損拡大のうわさが再び中心的な 材料なるだろう」と指摘した。

ダウ工業株30種平均は0.4%安、ダウ工業株30種平均は0.5%下落し た。アジアと欧州の株価も軟調だった。

利回り差

2年債利回りは前週末比ほぼ変わらずの3.68%。2年債利回りに対する 10年債の上乗せ幅は2005年4月以来で最大となった。6月に米国債が上昇し 始めた時は利回り差はなかった。

シティのプリンス会長兼最高経営責任者(CEO)は4日、サブプライム 関連証券でさらに最大110億ドルの評価損を計上する恐れがあると発表し、辞 任した。実際に110億ドルの損失を計上すれば、今年これまでの利益が半分喪 失することになる。

証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは5日、銀行の住宅ロ ーン関連損失が今後1年に500億ドル、今後5年では2000億-2500億ドル に上るとの見通しを示した。格付け会社フィッチレーティングスは5日、シテ ィの信用格付けを「AA」に引き下げ、さらに格下げする可能性も示唆した。

社債保有リスク

銀行が債務担保証券(CDO)の評価損を追加計上するとの思惑を受け、 クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では社債保有リスクが3カ 月ぶりの水準に上昇した。ドイツ銀行によると、米社債の保有リスクの指標で あるCDX北米投資適格指数シリーズ9のCDSスプレッドは一時、4.5bp上 昇の74bpとなった。

3カ月物ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)は4週間ぶりに上昇。銀 行が貸し出しを渋っていることを示唆した。3カ月物ドル建てLIBORは1 bp上昇の4.88%。9月7日に5.73%まで上昇した後、40営業日のうち32 日で低下していた。

7日には130億ドル相当の10年債入札、8日には50億ドル相当の30 年債入札が予定されている。

MFRのマーケットアナリスト、カール・スティーン氏は「入札を控え、 買い持ちは限定的になるだろう」と指摘。10年債利回りは「価格がかなり割高 とみなされる水準にある」と述べた。

米金融政策見通し

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、米連邦公開市 場委員会(FOMC)がFF金利の誘導目標を12月11日の定例会合で

0.25%引き下げ4.25%に設定する確率は64%。2日は68%だった。FOM Cは10月31日に4.5%に引き下げた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のミシュキン理事は5日、10月31日に 実施した利下げについて、経済リスクの低減が目的だったと語り、利下げが 「不必要」であることが示されればこれを相殺することもあり得るとの見解を 示した。

2年債利回りとFF金利の誘導目標の差は3営業日連続で拡大し、86bp となった。

ミラー・タバクの債券市場チーフストラテジスト、トニー・クレセンツィ 氏は「利回りが上昇するにしても低下するのしてもFF金利はいつもバリアに なる。国債価格の上昇余地はさほど大きくはない」と指摘した。

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