篠原財務官:為替は基礎的条件の反映を-政府資産は中立的に運用(4)

篠原尚之財務官は5日、都内の日本記者クラ ブで記者会見し、為替相場の水準について「米国の経常収支の赤字に若干ピー ク感が見られること自体は、市場全体からみると歓迎すべきこと」としたうえ で、「為替レートは基本的に市場で決まる問題であり、各国の経済のファンダメ ンタルズ(基礎的諸条件)を反映すべきだ」と述べた。

また、「成長率だけからみると、円安の方が景気にプラスになるというのは 明らかだ」と述べた。

外貨準備を元手にした政府系ファンド(SWF)の設立については、「日本 はどこかにお金が余っているわけでもない。日本は財政大赤字。外貨準備も裏 側に為券(政府短期証券)という負債を持っているお金だ。何かどこかに積み 立てているお金があって、それを運用する状況にない」と指摘。

そのうえで「基本的には、少なくともわれわれが持っているお金は市場に 対して中立的に運用すべきだ。市場を混乱させるような、あるいはヘッジファ ンドのような投機的な動きとかに使うべきではない」と否定的な考えを示した。

また、ヘッジファンドなどの投機的資金の規制については、「一般的に、投 機的資金の規制は理論的に正しくない」と強調。その理由として「自由にお金 が動くというのは市場メカニズムそのものであって、どこかを押さえ込もうと すると副作用の方がはるかに大きいというのが各国の共通認識だ。実際的にも 規制するのは難しい」と語った。

財務官は米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の 実体経済への影響についても触れ、「住宅市場の話は相当時間がかかるだろうし、 その影響度は相当に注意して見ていかなければならない」とする一方で、「市場 の混乱自体が収まるのに時間がかかるという感じはしない」と指摘。

その理由として「今、金融機関の決算に注目が行っているが、これも来年 になって今年度の決算の数字が出てくれば、市場は割合落ち着いてくるのでは ないか」との見通しを示した。

日本の金融機関の影響についても「一部の金融機関で評価損を大きく出し ているところがあるが、全体の自己資本の規模からみると、心配するような規 模ではない。ほとんどの金融機関のサブプライム関係の持分は非常に小さい。 日本の金融機関に関する直接的なインパクトは非常に小さい」と述べた。

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