米財務長官もサブプライム「行き過ぎ」の一員-ゴールドマン時代には

ポールソン米財務長官(61)は「昨日の行き 過ぎ」を繰り返さないために、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン危機について研究していると言う。この研究の対象には同長官自身 と、古巣の米投資銀行ゴールドマン・サックス・グループも含まれるのかもし れない。

ポールソン長官は口にしないが、同長官が最高経営責任者(CEO)を務 めていた時期にゴールドマンが組成したサブプライムまたは第2抵当の住宅ロ ーン関連証券370億ドル(約4兆2400億円)相当のうち130億ドル相当は今も 流通市場で取引されている。ブルームバーグ・データによると、ゴールドマン の証券の裏付けとなるローンの延滞率は平均で約22%と、同時期の他のサブプ ライム証券に比べ高い。

3年にわたるブームの間には1兆ドルのサブプライムローンが証券化され 投資家に販売された。ポールソン氏がゴールドマンのCEOだった期間にリー マン・ブラザーズ・ホールディングスが組成したサブプライム証券の残高は現 在330億ドル、モルガン・スタンレーは288億ドル。ゴールドマンの残存証券 はこれらに比べて少ないが、クレディ・スイスの約100億ドルやJPモルガン・ チェースの78億ドルよりは多い。

ローン焦げ付きについて、場合によってはサブプライムローンの証券化に かかわった金融機関の責任も問う法案を提出したブラッド・ミラー米下院議員 (民主党、ノースカロライナ州)は、ポールソン長官は「米国が現在直面して いる問題を生み出す過程にかかわったことを認めるべきだ」と述べた。

サブプライム問題は今年になって顕在化したが、ポールソン長官は3月以 来、サブプライム問題は「限定されている」として、経済全体へのリスクはな いとの見方を示していた。しかし問題が信用市場の他の部分に拡大するに伴い、 同長官を含め当局者らは対応を模索し始めた。

ゴールドマンは好調

多くの金融機関が保有するサブプライム証券で損失を被るなかで、ゴ-ル ドマンはデリバティブ(金融派生商品)を使い価格下落によってむしろ利益を 上げた。

サブプライム問題とポールソン長官のかかわりは、「システムの上流から下 流まで全体が、説明責任を持たなければならないことを明確にした」と、アメ リカ消費者連合の信用・住宅政策ディレクター、アレン・フィッシュバイン氏 は述べた。

ポールソン長官は証券を組成した金融機関の責任を問う考えには反対だ。 同長官は10月16日の講演で、「昨日の行き過ぎが明日繰り返されないようにし なければならない」と語った。その上で、住宅ローンを証券化したことについ てウォール街を罰することは「問題の解決にはならない」との考えを示した。 下院の案については「証券化市場をまひさせる可能性」があるとし、同市場は 「与信供与と資金コスト低下に大きく役立ってきた」と指摘した。

問題の拡大に伴い、ポールソンCEOは行動を積極化させた。同長官は大 手米銀とともに、コマーシャルペーパー(CP)発行困難で苦境に立ったスト ラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる簿外の運用 子会社から資産を買い取る基金の構想を取りまとめた。

延滞率

ゴールドマンはポールソン氏の下で、「ゴールドマン・サックス・オルタナ ティブ・モーゲージ・プロダクツ(GSAMP)」と銘打った58件の住宅ロー ン担保証券を組成した。

1999年5月-06年6月に組成・販売されたサブプライム証券の平均延滞率 は4日時点で19.3%だった。ゴールドマンのGSAMPの延滞率は21.7%で、 残存50億ドル超の発行会社20社のなかで9位。

ポールソン長官は財務省の広報担当官を通じ、ゴールドマンに関するコメ ントを差し控えた。

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