米シティ:プリンスCEOが辞任、ルービン氏を会長に指名(3)

米銀最大手シティグループは4日、チャー ルズ・プリンス会長兼最高経営責任者(CEO)の辞任を発表した。また、米 国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンと関連証券に絡み、最 大でさらに110億ドル(約1兆2600億円)の評価損が発生する見通しも明らか にした。2007年7-9月(第3四半期)に既に計上した評価損は60億ドル余 り。

シティは米クリントン政権下で財務長官を務め1999年からシティの経営 委員会会長を務めているロバート・ルービン氏を会長に指名した。また、英資 産運用会社シュローダーズ出身で2000年にシティに加わったロンドン在勤の幹 部サー・ウィン・ビショフが暫定CEOを務める。

シティ株は先週、サブプライム関連の損失悪化による株主資本減少や減配 への懸念を背景に11%下落した。同社は4日の発表で、減配の計画はないこと を明らかにした。プリンス氏は発表資料で「当社の住宅ローン担保証券事業で の最近の損失を考えると、CEOとして私が取ることのできる名誉ある行動は 辞任だけだと判断した」と表明した。ルービン氏はインタビューに答え、次期 CEOの人選を「直ちに開始」し、「できる限り迅速に進める」と述べた。

CEO人選委員会のメンバーは筆頭取締役のアレイン・ベルダ氏(アルコ ア会長)や取締役のリチャード・パーソンズ氏(タイム・ワーナーCEO)と フランクリン・トマス氏。

プリンス氏は2003年10月に、サンフォード・ワイル氏に代わりCEOに 就任していた。米国のサブプライム住宅ローン問題の影響でシティの07年第3 四半期利益は3年ぶり低水準となり、株価は年初来32%下落していた。

減配を否定

アナリストは、シティが資本不足で減配が必要になる可能性を指摘してい た。また、米証券取引委員会(SEC)はストラクチャード・インベストメン ト・ビークル(SIV)と呼ばれる簿外の子会社の会計処理について、シティ を調査している。同社の広報担当者は、SIVについて「適用可能なすべての 規則にのっとって」会計処理していると述べていた。

シティは減配について否定し、「金融市場における不確実性は引き続き高水 準にある」が、シティの自己資本比率は、現在の配当を維持したままで、「08 年4-6月(第2四半期)末までには目標のレベルに戻る」見通しだとした。

シティのゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者(CFO)はインタビ ューで、9月30日時点で550億ドル相当を保有していたサブプライム関連資産 の今後の価値は「景気の動向」に左右されると述べた。

CIBCワールド・マーケッツは先週、シティは300億ドルの資本増強 が必要であるため、資産を売却する可能性があると指摘していた。

相次ぐ退任

信用市場での損失が原因で職を失った金融機関幹部は、先週辞任した米証 券大手メリルリンチのスタンレー・オニールCEOに加え、スイスのUBSの CEOだったピーター・ウフリ氏や米べアー・スターンズの共同社長だったウ ォーレン・スペクター氏など数多い。シティのトレーディング責任者だったト ーマス・マヘラス氏も更迭された。

プリンス氏は4カ月前に、シティが進んでいる方向に「満足している」と 述べていた。10月15日に第3四半期の57%減益を発表した際には、大半の事 業分野で勢いは「引き続き強い」と述べていた。

同氏はCEO就任後の数年間、訴訟や規制当局との和解に追われ、企業統 治改善に注力した。また、保険部門を売却するなどワイル氏が打ち立てた巨大 金融機関の規模を一部縮小させた。今年に入ってからは、ヘッジファンド会社 のオールド・レーン・パートナーズ買収や日興コーディアルグループを傘下に 置くなど攻勢に転じたところだった。

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