米シティ:プリンスCEOが辞任、ルービン氏を会長に指名(2)

米銀最大手シティグループは4日、チャール ズ・プリンス会長兼最高経営責任者(CEO)が辞任したと発表した。シティ は2007年7-9月(第3四半期)に、保有証券の評価損などで65億ドル(約 7450億円)のコストを計上し、株価は低迷していた。

シティによると、プリンス氏の後任が決まるまで、シティの欧州部門会長 のサー・ウィン・ビショフが暫定CEOを務める。また、シティの経営委員会 会長を務めるロバート・E・ルービン元米財務長官が会長に指名された。シテ ィはまた、住宅ローン関連証券に絡み80億-110億ドルの追加評価損を計上す ることも明らかにした。

プリンス氏は発表資料で「当社の住宅ローン担保証券事業での最近の損失 を考えると、CEOとして私が取ることのできる名誉ある行動は辞任だけだと 判断した」と表明した。

シティはルービン氏とともに、メディア大手タイム・ワーナーのリチャー ド・パーソンズCEOやアルミニウムメーカー大手の米アルコアのアレイン・ ベルダCEOらを次期CEOを探す人選委員会メンバーに指名した。

プリンス氏は2003年10月に、サンフォード・ワイル氏に代わりCEOに 就任していた。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題 の影響でシティの07年第3四半期利益は3年ぶり低水準となり、株価は年初来 32%下落していた。

減配の計画なし

アナリストは、シティが資本不足で減配が必要になる可能性を指摘してい た。また、米証券取引委員会(SEC)はストラクチャード・インベストメン ト・ビークル(SIV)と呼ばれる簿外の子会社の会計処理について、シティ を調査している。同社の広報担当者は、SIVについて「適用可能なすべての 規則にのっとって」会計処理していると述べていた。

シティは4日の発表で、減配の計画はないと述べた。発表文は「金融市場 における不確実性は引き続き高水準にある」が、シティの自己資本比率は「08 年4-6月(第2四半期)末までには目標のレベルに戻る」見通しだとしてい る。

CIBCワールド・マーケッツは先週、シティは300億ドルの増資が必要 であるため、資産を売却する可能性があると指摘していた。

信用市場での損失が原因で職を失った金融機関幹部は、先週辞任した証券 大手メリルリンチのスタンレー・オニールCEOに加え、スイスのUBSのC EOだったピーター・ウフリ氏や米べアー・スターンズの共同社長だったウォ ーレン・スペクター氏など数多い。シティのトレーディング責任者だったトー マス・マヘラス氏も更迭された。

プリンス氏は4カ月前に、シティが進んでいる方向に「満足している」と 述べていた。10月15日に第3四半期の57%減益を発表した際には、大半の事 業分野で勢いは「引き続き強い」と述べていた。

プリンスCEOは就任後数年、訴訟や規制当局との和解に追われ、企業統 治改善に注力した。また、保険部門を売却するなどワイル氏が打ち立てた巨大 金融機関の規模を一部縮小させた。今年に入ってからは、ヘッジファンド会社 のオールド・レーン・パートナーズ買収や日興コーディアルグループを傘下に 置くなど攻勢に転じたところだった。

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