米シティ:CEOが辞意表明へ、緊急役員会で追加評価損検討も-報道

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WS J)は2日、米銀最大手シティグループのチャールズ・プリンス最高経営責任 者(CEO)が辞意を表明する見通しだと報じた。トップの引責辞任は大手金 融機関の間で広がる様相を見せている。

シークリフ・キャピタルで運用に携わるジェームズ・エルマン社長は「ウ ォール街のCEO更迭は毎週恒例の出来事になるかもしれない」と話した。

WSJ紙が事情に詳しい複数の関係者の話を基に伝えたところによると、 シティの取締役会は週末に緊急会合を開く。シティの広報担当者マイケル・ハ ンレッタ氏はブルームバーグ・ニュースの取材に対しコメントを控えた。

シティは2007年7-9月(第3四半期)に、保有証券の評価損などで65 億ドル(約7460億円)のコストを計上し、プリンスCEOの去就に注目が集ま っていた。84億ドルの評価損を計上した証券大手メリルリンチのスタンレー・ オニール前CEOは10月30日に退任した。

パンク・ジーゲルのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は2日のインタビ ューで、「取締役会はCEO更迭を求める株主からの圧力に抗しきれないところ に達したのかもしれない」として、「CEO更迭の理由として今までに取り上げ られたことのない重大な問題が必要だったが、巨額の評価損はそれに最適だっ た」と話した。

SECが調査

WSJ紙はまた、事情に詳しい複数の関係者の話を基に、米証券取引委員 会(SEC)がシティの一部取引の会計処理について調査していると報じた。 関係者の1人によると、ストラクチャード・インベストメント・ビークル(S IV)と呼ばれる簿外の子会社の問題が、特に調査の対象となっている。調査 は初期段階にあり、結果によってはSECの法規執行局に措置が勧告されると いう。シティの広報担当者は同紙に、SIVについて「適用可能なすべての規 則にのっとって」会計処理していると述べていた。

シティ株は時間外取引で一時、1.31ドル(3.5%)高の39.04ドルとなった。 通常取引終値は前日比78セント(2%)安の37.73ドル。年初来では32%下落 している。

ダウ・ジョーンズ通信(DJ)は、シティの経営委員会会長を務めるロバ ート・ルービン元米財務長官が暫定CEO就任を求められる可能性があると報 じた。DJは、ルービン氏は「乗り気ではない」と伝えている。WSJ紙によ れば、後任候補となる可能性があるのはほかに、シティの取締役会メンバーで メディア大手タイム・ワーナーのCEOを年内に退任する予定のリチャード・ パーソンズ氏やNYSEユーロネクストのジョン・セインCEO。

スミス・アセット・マネジメントのウィリアム・スミス社長は、シティの 株主価値を高める最良の方法は、消費者向け銀行と投資銀行、ウェルスマネジ メントの3つに会社を分割することだとの見解を示した。同氏はまた、シティ のゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者(CFO)には会社分割を実行す る力があるだろうと語った。

住宅ローン関連証券や法人向け融資などで評価損や損失が今後増えるとの 懸念を背景に、銀行や証券会社、保険会社株は下落している。信用市場での損 失が原因で職を失った金融機関幹部はメリルのオニール氏に加え、スイスのU BSのCEOだったピーター・ウフリ氏や米べアー・スターンズの共同社長だ ったウォーレン・スペクター氏など数多い。シティのトレーディング責任者だ ったトーマス・マヘラス氏も更迭された。

WSJ紙はまた、シティの取締役会は週末の緊急会合で、一部証券の一段 の価格下落を反映して評価損の額を見直すべきかどうかについても協議する見 込みだと報じている。

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