NY外為(2日):ドルは対ユーロ最安値、金融機関の損失懸念深まる

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対 ユーロで最安値を更新。ローン焦げ付きに関連した金融機関の評価損懸念が一 段と深まったことから、年内にもう一度利下げがあるとの観測が広がり、ドル は主要通貨の大半に対して下げた。

ドルは主要通貨で構成する通貨バスケットに対しても最安値を更新した。 ドイツ銀行はリポートで、メリルリンチが債務担保証券(CDO)関連で新た に100億ドルの評価損を計上する可能性があると指摘した。12月11日の次回 連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、市場では追加利下げ観測が広がった。 ドルは円に対しては上昇。10月の米雇用統計で雇用者数の伸びが予想を上回っ たことが影響した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、ウィン・シン氏 は、「金融業界の問題はますます深刻になり、FOMCは結局利下げせざるを えなくなるとの見方が強い」と述べ、「年末までに1ユーロ=1.50ドルを付 けそうだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは1ユーロ=1.4514ドル。前日の 同1.4425ドルから下落し、一時は同1.4528ドルまで下げた。対円では1ド ル=114円80銭。前日は同114円66銭だった。10月の非農業部門雇用者数 への反応で、一時は115円40銭まで上昇した。円は対ユーロで1ユーロ= 166円64銭に0.8%下げた。

ドルは週間ベースで対ユーロ0.9%安。年初来の値下がり率は9.1%に拡 大した。円は週間ベースで対ユーロ1.5%安。対ドルでは0.6%下げた。

利下げでドル建て資産の魅力が薄れるとの見方から、ドルは今年、主要 16通貨すべてに対して値下がりしている。ICE先物取引所(ニューヨーク) で取引されるドル・インデックスは76.220まで下げ、同インデックスが始ま った1973年以来の最安値を更新した。

「暴力的な調整」

モルガン・スタンレーの通貨リサーチ責任者、スティーブン・ジェン氏は 前日のリポートで、ドルの最安値更新が「もっと暴力的な調整」にエスカレー トする可能性があり、その場合は日米欧の通貨当局による協調介入の必要が生 じるかもしれないと指摘した。

ジェン氏は協調介入のタイミングとしては、FOMCの利下げが終了し、 欧州中央銀行(ECB)の利上げスタンスがなくなった後が考えられると述べ た。また1ドル=100円に接近すれば日銀が行動を起こすかもしれないという。 ジェン氏はただ、ユーロが1.50ドルの水準を下回っている限り、協調介入の 可能性は低いと付け加えた。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引される金利先物相場によると、12 月11日の次回FOMCでフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が0.25 ポイント引き下げられる確率は68%。前日の60%から上昇した。FOMCは 9月18日に0.5ポイントの利下げに踏み切った後、10月31日には0.25ポ イントの追加利下げを実施した。

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のストラテジスト、マシュ ー・ペリエ氏は、「新たな悪いニュースが出てくるのではないかとの不安感が 再び市場を支配している」と指摘。「投資銀行の格下げが相次ぐとの観測から、 市場はドル売り一辺倒となっている」と付け加えた。

ドルは朝方、対円で上昇。米労働省が発表した10月の雇用統計によると、 非農業部門の雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比16万6000人 増加となり、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 (8万5000人増)を大幅に上回った。9月の雇用者数は9万6000人増と、 速報値の11万人増から下方修正された。

家計調査による10月の失業率は4.7%で、前月と変わらず。エコノミス ト予想と一致した。

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