米国債(2日):2年債利回り一時3.62%-住宅不況で銀行損失を警戒

米国債相場は上昇。2年債利回りは2005 年以来の低水準に落ち込んだ。投資家が銀行の被った住宅ローン関連の損失は 経済成長を鈍化させると受け止めたのが背景。

この日午前に米労働省が10月の雇用統計を発表。雇用者の伸びがエコノ ミスト予想を上回ったことから、米国債は一時、売りが優勢だったがその後上 昇に転じた。アナリストらが金融機関は住宅市場の混迷の影響を受けて、さら に損失を明らかにするとの見方を示したことからメリルリンチを含む金融サー ビス企業の株価は2年ぶり安値に下げた。

タッターサール・アドバイザリー・グループ(バージニア州、債券運用額 500億ドル)のロバート・カルホーン氏は、「金融と住宅市場の問題は、結局 は実体経済に反映されるだろう」と語り、連邦公開市場委員会(FOMC)の 次の利下げまで時間が空くほど、「最終的な余波はより深刻になる」と続けた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時29 分現在、2年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)下げて3.67%。一時は2005年7月以来の低水準となる3.62%をつけた。 2年債価格(表面利率3.625%、2009年10月償還)は5/32上げて99 29/32 となった。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場動向によると、12月11日の次 回FOMCで0.25ポイントの利下げが実施される確率は70%と、前日の60% から上昇した。

メリルについての米紙報道

2日付米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は関係者を引用し、 メリルリンチはサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連した 損失を隠ぺいするための取引を行っていた可能性があると報道。これに対しメ リルリンチが「まったく根拠がない」と否定したことが好感され、米株式相場 は下げを帳消しにし、債券相場は上げの一部を削られた。

しかしこの日のメリルリンチ株は約6年ぶりの大幅安。ドイツ銀行がリポ ートで、メリルはサブプライムローンに関連する資産の評価損としてさらに 100億ドルを計上する可能性があると指摘したのが売り材料だった。メリルは 7-9月期に84億ドルの評価損を計上した。

10年債、3カ月債利回り

週間ベースでの2年債利回りは13bp低下した。同利回りはFOMCがF F金利誘導目標を0.25ポイント引き下げて4.5%に設定した10月31日に14 bp上昇した。

2日の10年債利回りは3bp下げて4.32%。一時は2005年9月以来の低 水準となる4.28%を記録した。2年債との利回り格差は63bpと、過去2年 での最大に迫った。

償還期限が1年未満の短期債の利回りも低下した。3カ月物国債利回りは 2カ月ぶり低水準の3.52%だった。3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引 金利)と米3カ月物国債利回りとの格差は127bpに拡大した。

この日のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場で、米企業の社 債の保証料が上昇、2カ月ぶりの高水準をつけた。また証券会社の社債保有リ スクは5年ぶり高水準まで上昇した。

雇用統計

米労働省が発表した10月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比16万6000人増加となり、ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(8万5000人増)を大幅 に上回った。9月の雇用者数は9万6000人増と、速報値の11万人増から下方 修正された。家計調査による10月の失業率は4.7%で、前月と変わらず。

10年物インフレ連動債(TIPS、2017年7月償還)の利回りは1.92% と、2006年1月以来で最低。10年債利回りを2.39ポイント下回っている。こ れは7月9日以来で最大。同格差は今後10年間の平均インフレ率見通しを示 す。

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