米国株:大幅反落、ダウ平均362ドル安-シティ投資判断下げで

米株式相場は大幅反落。シティグループが 投資判断の引き下げを受けて急落。業種別S&P500種株価指数の「金融」は 5年ぶりの大幅な下げを演じた。

シティは2002年以来で最大の下落率。CIBCワールド・マーケッツは シティが減配せざるを得なくなる可能性を指摘し、クレディ・スイス・グルー プも投資判断を引き下げた。バンク・オブ・アメリカは4年ぶりの大幅安。個 人消費支出(PCE)がエコノミストの予想以上に減速したことを嫌気し、タ ーゲットを中心に小売株も安い。

S&P500種株価指数は前日比40.94ポイント(2.6%)安の1508.44 と、8月9日以来の大幅な下げとなった。同指数の構成銘柄では3690億ドル の時価総額が喪失した。S&P500種の金融株指数は4.6%安と、2002年9 月以来の大幅な下落率となり、全10業種中で最も下げがきつかった。ダウ工 業株30種平均は362.14ドル(2.6%)下落し13567.87ドル。ナスダック 総合指数は64.29ポイント(2.3%)下げて2794.83で終了した。ニューヨ ーク証券取引所の騰落率は1対13。

J&Wセリグマンで約220億ドルの運用に携わる市場ストラテジスト、 ダグ・ぺタ氏は「金融株には下値余地がある。サブプライム(信用力の低い個 人向け)住宅ローン問題が最終的にどの程度、悪影響を及ぼすか分からない状 態だ」と述べた。

シティグループの投資判断引き下げは欧州でも売りを誘い、ダウ欧州株価 指数は1.5%安の382.57となった。米国債は反発。前日は米連邦公開市場委 員会(FOMC)が追加利下げを示唆しなかったことを嫌気して売りが優勢に なったが、この日は安全資産としての買いが入り、前日の下落分を取り戻した。

シティの急落

シティ株は6.9%安と、ダウ平均の構成銘柄で最も下げがきつい。CIB Cワールド・マーケッツのメレディス・ウィトニー氏率いるアナリストチーム は、シティが300億ドルを超える資本を増強するため、減配もしくは資産売却 を迫られる可能性があると指摘。投資判断を引き下げた。

金融株指数が年初から13%下げる中、高配当が一部の投資家を引き寄せて いる。ブルームバーグのデータによると、シティの配当利回りは6.88%と20 年ぶりの高水準となった。

ヤクトマン・アセット・マネジメントのドナルド・ヤクトマン社長兼最高 投資責任者(CIO)は「最終的には配当ではなく、配当を本当に支払う能力 が問題となる。シティは巨大な企業で中小企業とはわけが違う」と語った。

シティの広報担当者は配当の変更や資産売却などに関する憶測にはコメン トできないとした。

減配しない

サンフォードC・バーンスティーンのアナリスト、ハワード・メースン氏 はシティの資本が規制当局の規定を下回っていないことを理由に減配はしない との見方を示した。

CIBCが投資判断を引き下げたバンク・オブ・アメリカも安い。

株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)の ボラティリティ指数(VIX)が26%上昇し、23.29となった。VIXの上 昇は今後30日間に値動きが荒くなるとの見通しを示唆している。

住宅価格の下落やエネルギー価格の上昇を背景に個人消費支出(PCE) は予想を下回る伸びにとどまった。これをきっかけにターゲットやウォルマー ート・ストアーズに売りが出た。

米国の消費者の10人中4人が、今年のクリスマスシーズンの支出を減ら す計画であることが、会計事務所デロイトの年次調査で分かった。食料品と燃 料価格の上昇に加え住宅価格下落が、消費者の財布のひもを固くしているもよ うだ。

エクソン下落

エクソンモービルも下落。2007年7-9月(第3四半期)決算は、1株 利益が1.70ドルに減少し、ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均

1.74ドルを下回った。停電や設備障害によるガソリン生産減や製油マージン の縮小が影響した。

世界2位の債券保証会社、米アムバック ・ファイナンシャル・グループ は20%安と、S&P500種の構成銘柄で下落率首位となった。ギミー・クレ ジット・パブリケーションズがアムバックの債務格付けを引き下げたことがき っかけ。債務担保証券(CDO)のリスクを理由に挙げている。

スプリント下落

米携帯電話事業者3位のスプリント・ネクステルも安い。2007年7-9 月(第3四半期)決算は、純利益が6400万ドル(1株当たり2セント)と、 前年同期比77%減少した。当期中に30万人以上の加入者がサービスを解約し たことが影響した。売上高は前年同期比4.2%減の100億ドルと、アナリスト の予想平均値102億ドルを下回った。

業種別S&P500種株価指数では「情報技術(IT)」の下げが最も緩や かだった。マイクロソフトが0.7%高の37.06ドルと、7年ぶりの高水準を 付けたことが下支えた。サンフォード・C・バーンスティーンのアナリストが 前日、マイクロソフトの成長余力を理由に株価が過小評価されていると指摘し たことが引き続き買いを誘った。

S&P500種株価指数の構成銘柄で上昇したのはマイクロソフトを含め 16社だった。ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトのみが上げた。

経済指標

米供給管理協会(ISM)が発表した10月の製造業景況指数は50.9 (前月52)に低下。3月以来の最低になった。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想中央値(51.5)も下回った。同景況指数で50は景気 の拡大と縮小の境目を示す。

米労働省が発表した10月27日に終わった1週間の新規失業保険申請件数 (季節調整済み)は、前週比6000件減の32万7000件と、ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は33万件を下回った。 前週は33万3000件と速報の33万1000件から上方修正された。

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