NY外為:円上昇、キャリー手じまい-ローン評価損への懸念再燃(2)

ニューヨーク外国為替市場では円が主要 16通貨すべてに対して上昇。シティグループとバンク・オブ・アメリカ(BO A)の投資判断引き下げで、金融機関のローン評価損への懸念が再燃したこと から、円で借りた資金をリスク資産に投じるキャリー取引が手じまわれた。

円はユーロに対しては1週間ぶりに上昇。対ドルでは朝安から上昇に転じ た。円に対する下げが著しかったのはオーストラリア・ドルと南アフリカのラ ンド、ニュージーランド(NZ)ドル。いずれも円キャリー取引の運用先とし て好まれている。

ソシエテ・ジェネラルの上席通貨トレーダー、クリスチャン・デュポン氏 (モントリオール在勤)は、「クレジット懸念の再燃でリスク志向が低下、円 を支援した」と説明した。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、円は対ユーロで前日比1.1%上昇し、 1ユーロ=165円40銭。9月7日以来の大幅高となった。対ドルでは0.7% 高の1ドル=114円57銭。値上がり率は10月19日以来の最大。1日は一時、 115円93銭まで下げていた。前日の取引では連邦公開市場委員会(FOM C)の利下げへの反応で、円は対ユーロで6週ぶりの大幅安となっていた。

1日午前に10月の製造業景況指数が予想以上に低下したことが明らかに なり、円は一段高となった。この日の金融市場では欧米の株価と原油、金相場 が下落した。

米国株は急落し、S&P500種株価指数は8月9日以来最大の2.7%安。 原油は過去最高値の1バレル=96.24ドルから反落し、金は1980年以来の高 値から下げた。

政策金利

オーストラリアの政策金利は6.5%、南アフリカは10.5%、ニュージー ランドは8.25%に設定されている。これに対して日本の無担保コール翌日物金 利誘導目標は0.5%と、主要国中で最も低い。

ドルは豪ドルとカナダ・ドル、NZドルに対して上昇。リスク回避で米国 債に資金が流入したことがドル相場を押し上げた。

マン・グローバル・リサーチの上席通貨アナリスト、マイケル・マルピー ド氏(シカゴ在勤)によると、ドルは対ポンドで1981年以来の安値に下げる につれ、ユーロに対しても伸び悩んだ。

ポンドの対ドル相場は1981年5月以来の高値となる1ポンド=2.0875 ドルを付けた。来週のイングランド銀行の政策会合に向け、利下げ観測が後退 したのがポンド買いにつながった。英政策金利は現在5.75%と、6年ぶりの高 水準に設定されている。

雇用統計

2日に10月米雇用統計の発表を控えているため、ドルの上値は抑えられ た。市場では雇用者の伸び減速が示されると予想されている。

ドルは対ユーロで1.4435ドルと、前日の1.4487ドルから上昇。前日 記録した最安値1.4504ドルから値を戻し、この日は一時、1.4404ドルまで 買い進まれた。ドルはまた、カナダ・ドルに対して0.9%上昇し1カナダ・ド ル=1.0512ドル。前日は1950年にカナダ・ドルが変動相場制に移行して以 来の安値、1カナダ・ドル=1.0617ドルに下げていた。

ドルは豪ドルに対して2.2%反発。前日記録した1984年以来の安値から 値を戻した。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツ(コネティカット州グリニッ チ)の国際通貨ストラテジー北米責任者、アラン・ラスキン氏は、「銀行の巨 額損失もしくは評価損の観測で株式が売りを浴びた」と指摘。「質への逃避で 資金がドルに逆流し、ドルと円のショート(売り持ち)ポジションを建ててい た投資家は相場上昇で買い戻しを余儀なくされている」と付け加えた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト44人の調査では、ド ルは2008年6月末までに1ユーロ=1.40ドルに上昇、同年の年末までには

1.35ドルへとさらに上値を伸ばすと予想されている。

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