米利下げはこれで終了か-金融当局はインフレ圧力の再燃懸念に言及

米金融当局の利下げはこれで終わりかもし れない。インフレ圧力の再燃を警戒しているからだ。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月31日、フェデラルファンド(F F)金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ4.5%とした。インフレ加速リス クと成長減速リスクは「おおむね均衡」しているとの認識を示した。さらに、 「エネルギーと商品価格の上昇を中心に、インフレへの上昇圧力が再燃すると 考えられる」と警戒を示した。

声明は、深まる住宅不況を乗り越えて米景気拡大が続くと当局者が予想し ていることを示唆した。この内容を受けて株価は上昇し、米国債は下落。先物 市場では12月の3回目の利下げへの観測が後退した。

バークレイズ・キャピタルの米国担当チーフエコノミスト、ディーン・マ キ氏は「予想可能な将来にわたり据え置きだろう」として、FOMCは成長減 速見込みが既に織り込み済みであることを「明確に示唆した」と述べた。同氏 は2008年7-12月(下期)の利上げを予想し、それまでは据え置きと予想して いる。

FOMCは9月と10月の計0.75ポイントの利下げによって、金融市場の 波乱が「景気全般に与え得る悪影響の一部を抑止」できるとの考えを示した。

FOMC内でインフレ懸念が高まり始めていることは、06年12月以来で、 今回初めて決定が全会一致でなかったことからもうかがわれる。カンザスシテ ィー連銀のホーニグ総裁は利下げに賛成せず、据え置きを主張した。また、公 定歩合の0.25ポイント引き下げを求めたのも12連銀中6行と、前回0.5ポイ ント引き下げを求めた7行よりも少なかった。

マクロエコノミック・アドバイザーズのシニアエコノミスト、ブライアン・ サック氏は、当局者はインフレに関して「今年これまでに見られた改善が失わ れる可能性を恐れているのだろう」と指摘。もう1回の利下げの必要性を「確 信させるデータが12月のFOMCまでにそろうとは考えにくい」と語った。

ライル・グラムリー元FRB理事は当面の据え置きを予想し、「個人消費 が大幅に減速していることが示されるまでは、次の利下げはないだろう」と話 した。

FOMCは為替相場に言及しなかったものの、前回会合の議事録によると 当局者は大幅なドル下落が続く場合はインフレリスクが高まり得ると考えてい た。FRBが算出する主要貿易相手国通貨に対するドル指数は今週、1996年以 来の水準に落ち込んだ。

先物市場が示す12月11日開催FOMCでの0.25ポイント利下げの確率は 10月31日に40%と、前日の66%から低下した。FRBの金融政策局長だった ビンセント・ラインハート氏は、10月31日の声明は必要ならば利上げをするた めの「逃げ道」を当局者に与えるものだと指摘した。

バーナンキFRB議長は8日に米上下両院合同経済委員会で証言し、より 詳しい景気見通しを示す。

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