10月31日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:反発。7―9月期の実質国内総生産(GDP)の伸び率が市場予想を 上回ったことに加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げにより、経済 成長が持続するとの見方から買いが膨らんだ。月間ベースでは3カ月連続の上昇 となった。

石油最大手のエクソンモービルとソフトウエア最大手のマイクロソフトは 個人消費の底堅さが続くとの見方から上昇。産金2位の米ニューモント・マイ ニングは6年ぶりの大幅高。2007年7-9月(第3四半期)決算で純利益が 倍増したことを好感した買いが膨らんだ。

S&P500種株価指数は前日比18.36ポイント(1.2%)高の1549.38 となった。ダウ工業株30種平均は137.54ドル(1%)上昇し13930.01ド ル。ナスダック総合指数は42.41ポイント(1.5%)上げて2859.12で終了 した。ニューヨーク証券取引所の騰落率は4対1。

LPLファイナンシャル・サービシズのチーフ市場ストラテジスト、ジェ フリー・クライントップ氏は「FOMCの利下げはこれで打ち止めになる可能 性がある。追加利下げは必要ない。相場は値固め局面にある」と述べた。

GDP速報値は前期比年率3.9%増加となり、住宅市場の低迷とサブプラ イム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題によりリセッション(景気後 退)入りするとの懸念を和らげた。FOMCはフェデラルファンド(FF)金 利の誘導目標を0.25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ

4.5%に設定することを決めた。これにより、信用市場の動揺が景気全般に与 えうる悪影響の一部を抑止するとの見解を示した。

FOMCが9月18日に利下げを実施して以来、米国株は週間ベースで7 週のうち6週で上昇。S&P500種株価指数は4.9%上昇している。月間では S&P500種は1.5%高、ナスダック総合指数5.8%高となった。一方、ダウ 工業株30種平均は0.3%高にとどまった。

エネルギー株の上昇

米エネルギー省が発表した週間在庫統計で原油在庫が2年ぶりの水準に減 少。原油相場が最高値を更新すると、エクソンやヘスに買いが入り、業種別S &P500種株価指数の「エネルギー」が上昇した。原油価格は今月、16%上昇 した。

マイクロソフトは2001年6月以来の高値。サンフォード・C・バーンス ティーンのアナリストがマイクロソフトの成長余力を理由に株価が過小評価さ れていると指摘した。

ニューモントがけん引役となり、業種別S&P500種では「素材」が

2.5%高と、全10業種中で上昇率首位となった。

買い先行

GDP伸び率が2006年第1四半期以来の高水準となったことをきっかけ に買いが先行した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想 中央値(3.1%増)も上回った。金融当局者が注目する食品とエネルギーを除 くコアPCE(個人消費支出)価格指数は第3四半期に前期比1.8%上昇。予 想の1.5%上昇を上回った。

利下げ決定は全会一致ではなく、カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は 金利の据え置きを主張して、利下げに反対票を投じた。

クリアーブルック・ファイナンシャル(ニュージャージー州プリンストン、 運用資産100億ドル超)の最高投資責任者、トーマス・ソワニック氏は「景気 は夏の終わりに経験した信用市場問題を見事に乗り切ったようだ。すべてにお いて2カ月前に考えていたよりも強い。第4四半期の企業収益はこの好転を反 映するだろう」と述べた。

クラフト・フーズ

世界2位の食品メーカー、米クラフト・フーズは上昇。7-9月期(第3 四半期)決算は一部項目を除く1株利益が44セントと、ブルームバーグがま とめたアナリスト14人の予想平均41セントを上回った。

製材最大手の米ウェアハウザーも特別項目を除く1株利益が予想を上回り、 上昇した。

クレジットカード大手マスターカードは21%高、2006年5月の新規株式 公開(IPO)以来で最大の上昇率となった。7―9月期(第3四半期)決算 がアナリスト予想を上回ったことが手掛かり。

衣料ブランド「ジョーンズ・ニューヨーク」や靴の「ナイン・ウエスト」 を手掛けるジョーンズ・アパレル・グループも高い。7―9月期(第3四半 期)決算で純利益が6倍となり、特別項目を除く1株利益がアナリスト予想を 上回った。

シカゴ購買部協会が発表した10月のシカゴ地区の米製造業景況指数(季 節調整済み)は49.7と、9月(54.2)から低下。2月以来の低水準となった。 ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想中央値(53.0) も下回った。同指数は50が景況活動の拡大と縮小の境目を示す。

○米国債:相場は下落。連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25ポイントの利 下げを発表、インフレと経済成長に対するリスクは「ほぼ均衡」すると述べたこ とから、市場参加者は追加利下げの可能性が低下したと受け止めた。

特に政策金利の変動に敏感な2年債が下落、利回りは13ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)上昇と、8月22日以来の大幅な伸びを示した。 FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き下 げて、4.5%に設定した。

HSBCセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、チャー ルズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は、「FOMCはおそらく12月ま で金利を据え置くことを示唆している。2年債が上昇するには連続利下げが必 要だが、それが起きることはなさそうだ」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時36 分現在、2年債利回りは3.95%に上昇。2年債価格(表面利率3.625%、2009 年8月償還)は8/32近く下げて99 12/32だった。

10年債利回りは9bp近く上昇して4.47%。10月5日以来の大幅上昇とな り、19日以来の高水準に達した。

FOMCの利下げ

FOMCは声明で、「9月に委員会が取った措置と合わせ、今回の措置は 金融市場の波乱が景気全般に与えうる悪影響の一部を抑止し、経済が長期的に 緩やかに成長するのを促すのが目的」と表明した。

9月18日のFOMCでは住宅市場の落ち込みが経済に悪影響を与える恐 れを指摘し、0.5ポイントの利下げを決定した。

FF金利先物市場動向によると、12月11日の次回FOMCで0.25ポイン トの利下げが実施される確率は46%と、前日の66%から低下した。

クレディ・スイス・ホールディングス(ニューヨーク)のストラテジスト、 アレックス・リー氏は、「現状を鑑みると、年内利下げはこれで終了だろう。 投資家が追加利下げ観測を後退させていることから、おそらく短期債利回りに は上昇する余地がまだある」と述べた。

ブルームバーグがまとめたアナリスト108人のうち91人が0.25ポイント の利下げを予想、14人は金利据え置き、3人は0.5ポイントの利下げを予想し ていた。

ADP、GDP

午前に発表された第3四半期(7-9月)の実質国内総生産(GDP)の 伸びが市場予想を上回ったほか、給与明細書作成代行会社のオートマティッ ク・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表し た給与名簿に基づく集計調査で10月の米民間部門の雇用者数が市場予想以上 に増加したことも売り材料となり、この日の債券は軟調に推移した。

11月2日発表される10月の米雇用統計では、雇用者の伸びは今年6月以 来の最低と予想されている。

また11月1日発表の9月の米個人消費支出(PCE)は、金融当局者が 注目する食品とエネルギーを除くコアベースで前年比1.8%の上昇が見込まれ ている。

メリルリンチのまとめたデータによると、今年に入ってからの米国債投資 のリターンは6.2%、このペースが続いた場合、2002年以来の最高になる。7 -9月期にみられたサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの混迷 を背景に安全な国債への需要が高まった。

○NY外為:ドルが下落。連邦公開市場委員会(FOMC)の0.25ポイント利 下げが明らかになった後、対ユーロで過去最安値を更新した。ドルはまた、他の 主要通貨に対しても総じて大幅安。世界経済は米景気減速による影響を乗り切る との見方が広がった。

FOMCは住宅不振に端を発するリセッションを回避するため、フェデラル ファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き下げて4.5%に設定した。 これを受けて市場ではドルと円に売りが出た。一方、株式や原油、金価格は急上 昇し、リスク資産の需要増大が示された。ドルは主要通貨で構成するバスケット に対して過去最安値を更新した。

パトナム・インベストメンツ(ボストン)で290億ドルの資産運用に携わる パレシュ・ウパダヤ氏は、「利下げでリスク資産への投資意欲が強まった」と指 摘。「世界経済は持ちこたえるとの見方から、高利回り通貨が買われている」と 付け加えた。

ニューヨーク時間午後4時18分現在、ドルは対ユーロで下落し、1ユーロ =1.4485ドル。前日遅くは同1.4432ドルだった。この日は一時、1.4504ド ルまで売り込まれ、1999年1月のユーロ発足以来の最安値を更新した。円は対 ドルで1ドル=115円36銭に下落。前日遅くは同114円63銭だった。対ユー ロでは前日の1ユーロ=165円46銭から、167円14銭に下落した。

月間ベースでみると、ドルは主要16通貨のうち、円を除くすべてに対して 下落。対ユーロでは1.6%値下がり、対円では0.5%値上がりした。

ICE先物取引所(ニューヨーク)で取引されるドル・インデックスは一時、

76.465まで低下。同インデックスが始まった1973年以来の最低を更新した。

商品輸出国

主要16通貨のうち、オーストラリア・ドルが対ドルで最も大幅に上昇。南 アフリカのランド、カナダが続いた。いずれも1%を上回る値上がりだった。3 カ国とも商品需要の拡大が景気を押し上げる商品輸出国。また日本などの低金利 通貨で調達した資金を高リスク資産に投じるキャリー取引でも、上記3カ国は運 用先として好まれている。

オーストラリアの政策金利は6.5%、南アフリカは10.5%、カナダは4.5%、 英国は5.75%に設定されている。これに比べて日本の無担保コール翌日物金利 誘導目標は0.5%と先進国中で最も低い。ユーロ圏は4%。

オーストラリア・ドルは1984年以来の高値、ポンドは1981年以来の高値 に上昇。カナダ・ドルは過去最高値を更新した。

三菱東京UFJ銀行の米国コーポレート外為セールス部門のバイスプレジデ ント、ロバート・フレム氏は、「ドルの買い手は多くない。現在のドルに対する センチメントはかなり暗い」と述べた。

フレム氏はドルが年末までに1ユーロ=1.5ドル、1ポンド=2.1ドルまで 下げる可能性があると指摘した。

米国株

米株式相場は上昇し、S&P500種株価指数は1.2%高で引けた。原油相場 は1バレル当たり94ドル台に乗せ、金はオンス当たり800ドルを突破した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト108人の調査では、91 人が0.25ポイントの利下げを予想していた。14人が据え置き、3人が0.5ポ イント利下げを見込んでいた。

FOMC声明は「9月に委員会が取った措置と合わせ、今回の措置は金融市 場の波乱が景気全般に与えうる悪影響一部を抑止し、経済が長期的に緩やかに成 長するのを促すのが目的」と表明。「今回の措置を講じた後のインフレ率上昇リ スクと成長下振れリスクがおおむね均衡する」との判断を示した。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引されるFF金利先物相場によると、12 月11日の次回FOMCで0.25ポイントの追加利下げがあるとの確率は42%。 前日の66%から低下した。

○英国債:2年国債相場は下落し、利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01ポイント)上昇の5.09%となった。

同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.11ポイント下げ

101.29。

○欧州債:2年国債相場は過去約2カ月で最大の下げとなった。この日発表され た10月のユーロ圏インフレ率が予想以上に上昇し2年ぶり高水準となったこと から、欧州中央銀行(ECB)が利上げする可能性が高まった。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した10月のユーロ圏消 費者物価指数(速報値)は前年同月比2.6%上昇と、前月の2.1%上昇から加速 した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト38人の調査中央値の

2.3%上昇を上回った。また朝方発表された9月のドイツ小売売上高指数が前月 比で2.3%上昇と、2006年12月以来の高い伸びとなったことも、この日の相場 押し下げ要因となった。

アンシンジェール・ドゥ・ボーフォールの債券アナリスト、マーク・オスワ ルド氏(ロンドン在勤)は、「消費者物価はショックだった。短期債相場の下落 は長期債に比べ大きかった。ECBが追加利上げするリスクがある」と語った。

ドイツ2年国債の利回りはロンドン時間午後4時35分までに、前日比10ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し、4.06%となった。オスワ ルド氏は今週中に同利回りが4.1%に達すると予想する。同国債(2009年9月 償還、表面利率4%)の価格は前日比で0.18ポイント下落し99.89となった。 またドイツ10年国債の利回りは5bp上昇し、4.24%だった。

欧州債相場はさらに、午後に入り米国で発表された7-9月期(第3四半期) の実質国内総生産(GDP)が前期比年率3.9%増加と、伸びが予想を上回った ことを受けて、一段安となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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