FOMC:「機動性」確保を重視か、指標まちまちで-31日に声明

米連邦公開市場委員会(FOMC)は31日、 政策金利を引き下げると予想されている。決定後の声明では、利下げ分を取り 戻す利上げと、追加利下げの双方に含みを持たせる表現で、政策の「機動性」 を確保するとみられる。消費をめぐる指標と住宅をめぐる指標にかい離が見ら れ、先行きが読みにくいためだ。

前回FOMCの9月18日以来、小売売上高や輸出は堅調である一方、住宅 については一段の弱さを示す指標が出ている。バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長ら当局者は今月、景気見通しの「不透明感」を繰り返し強調し てきた。声明では成長減速とインフレ加速の双方のリスクに触れると予想され る。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのトレーディング責任者、 トマス・ガルシア氏は「当局は双方向の選択肢を残し、景気の動向を見守る必 要がある」として、31日に「利下げをするかどうかにかかわらず、声明にはイ ンフレ率が上昇し始めれば利上げをするというメッセージを盛り込むだろう」 と語った。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査では、108人中91 人が31日の0.25ポイント利下げを予想した。14人は現行の4.75%での据え置 き、3人は0.5ポイント利下げを予想した。FOMCは30日からの会合を再開 し、ワシントン時間31日午後2時15分(日本時間11月1日午前3時15分) 前後に決定を発表する。

当局者らは、31日の決定について市場に示唆することを避けてきた。コー ンFRB副議長は今月2回、成長減速とインフレのリスクに照らし、当局には 「機動性が必要」と述べていた。

株価とインフレ期待

多くの投資家が利下げを予想しているなかで、据え置きならば株価が下落 する可能性もある。金利先物市場は0.25ポイント利下げの確率を94%織り込ん でいる。

一方、利下げは既にドル安と原油高の圧力を受けている物価の上昇を招く 恐れがある。9月18日の0.5ポイント利下げの後は、商品相場が急伸し、イン フレ連動米国債(TIPS)の動きはインフレ期待の高まりを示した。

8月の個人消費支出(PCE)コア価格指数は前年同月比1.8%上昇と、バ ーナンキ議長が望ましいとする1-2%のレンジの上限付近。エコノミストら は「インフレリスクが一部に残ると判断し、慎重にインフレの動向を見守って いく」という9月のFOMC声明の文言が繰り返されると予想している。

ミラー・タバクの債券市場チーフストラテジスト、トニー・クレセンツィ 氏は、FOMCが今年これまでの成長は「緩やか」との認識をあらためて示し、 住宅市場の調整と信用収縮が「歯止めをかけにくい」ような景気減速を引き起 こす可能性についても指摘するだろうとみている。ただ、「金融市場の状況改善 を認めて、表現を和らげるかもしれない」と同氏は付け加えた。

FRBの金融政策局長だったビンセント・ラインハート氏は、前回の信用 収縮に対応して当局が利下げをした1998年の教訓は、「金融市場の機能に対す る懸念のために利下げをするならば積極的に」利下げし、「金融緩和の状態を長 く続け過ぎないようにする」ことだと述べた。