フィデリティ投信、日本での債券投信事業を計画-団塊の世代退職

フィデリティ投信は31日までに、同社の 債券投信管理を香港から東京に移管する方針を固めた。日興アセットマネジメ ントや野村アセットマネジメントに後れを取る中で、日本の退職者向け市場で 顧客を獲得するのが狙い。

ジョン・フォード最高投資責任者(CIO、43)は電子メールで、「われわ れは東京を拠点とする資産配分スペシャリストを増やす方針だ」と指摘し、「日 本の債券事業への取り組みを加速させる」と説明した。

フィデリティ投信は1969年に米最大の投資信託運用会社フィデリティ・イ ンベストメンツが設立。運用資産は約3兆7000億円にとどまり、その4倍以上 の運用資産を持つ野村アセットや米銀シティグループ傘下の日興アセットに出 遅れている。

野村ホールディングス(HD)によると、1947-1949年生まれの団塊の 世代が向こう5年間に受け取る退職金は約85兆円に上る見通し。その約6割に 相当する51兆円が株式や投信投資に回ると見込まれる。3割は債務返済、1割 は短期の支出に充てられるという。また、ゴールドマン・サックス・グループ によれば、日本の家計貯蓄で退職者の資産が占める割合は25%と、この比率は どの国よりも高いという。

フォードCIOは「退職者向け市場はわれわれにとって大きなチャンスだ」 と指摘。「他の拠点に頼るのではなく、東京で体制作りができるようにしたい」 と説明した。フィデリティ投信が今月明らかにしたところでは、東京では現時 点で株式投信の運用だけを手掛けている。

フォードCIOは「退職者向け市場への対策を練る際に重要な要素は、退 職者の所得ニーズに対応したポートフォリオを構築することだ」と述べた。