サッポロがストップ高、不動産でモルガンSと提携-スティール刺激も

国内ビール系飲料3位のサッポロホールデ ィングスの株価がストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)。同社は30日、不動 産事業で米モルガン・スタンレー証券と提携するなどと発表、これを受けて買い が先行している。不動産事業でのさらなる収益拡大が期待されたほか、今回の発 表が買収を提案している米系投資ファンドスティール・パートナーズを刺激し、 今後動きがあるのではとの思惑も出ているという。

サッポロH株は買い気配で始まった後、午前9時40分に前日比90円 (12%)高の855円で売買が成立。その後も買いが優勢で、同100円(13%)高 の865円とストップ高をつけた。

サッポロHにとって、不動産事業は営業利益の7割以上を占める収益源だ。 地価高騰など好調な事業環境の中、市場では「モルガンSとの提携により、サッ ポロHの不動産事業の競争力アップが見込まれる」(丸和証券調査情報部の大谷 正之次長)と指摘されている。

また大谷氏は、「スティールが何らかの対応をとるのではないかとして、思 惑もあるようだ」とも述べた。サッポロHは事前警告型買収防衛策の手続きに沿 ってスティールに質問状を送付。スティールからの回答を待っているが、回答が 得られておらず、こう着状態にある。

モルガンSとの提携では、モルガンSが持つ不動産事業のノウハウをサッポ ロHも取り込み、不動産事業の競争力を高めるのが狙い。2008年6月までに複 合施設「恵比寿ガーデンプレイス」の共有持ち分15%を500億円でモルガンS に売却するほか、サッポロHの株式5%をモルガンSが市場で買い付ける。売却 で得た資金は、新規の不動産取得や酒類などの海外事業強化への投資に振り向け、 一部は負債削減にも充てる構え。恵比寿ガーデンプレイスの施設運営での連携も 08年中に始める。

海外展開強化には評価の声も

一方、同時に発表した新経営構想では、創業140周年を迎える2016年に連 結売上高6000億円(酒税含む)、連結営業利益400億円の達成を計画する。不 動産事業でのモルガンSとの提携により、資産価値を最大化する一方、これまで の酒類中心から食品全体への事業拡大を図り、海外展開も積極的に推進していく。

コスモ証券の馬目俊一郎アナリストは、「時期があまりにも先で経営目標に は現実味がないが、不動産事業で得た資金を海外事業などに投じ、海外展開に活 路を見出していく戦略はうまくいくかも知れない。買収した加スリーマン社は好 調で、海外での酒類事業が利益を上げてきている」と指摘した。

前日発表した第3四半期(07年1-9月期)の連結決算では、スリーマン の連結化やサッポロUSAが寄与した北米市場がけん引。国際酒類事業の売上高 は210億円と前年同期比で約5.3倍、営業利益が同約6.3倍の19億円だった。

村上隆男社長は会見で、海外展開については北米市場を最優先にし、東南ア ジアの市場開拓も示唆。北米市場はスリーマンを強化するほか、追加投資も行う としている。

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