スイスのUBS:7-9月純損失8.3億フラン-約5年ぶり赤字(3)

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資産規模で欧州の銀行最大手、スイスの UBSが30日発表した2007年7-9月(第3四半期)決算は、約5年ぶりの 赤字となった。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場の落 ち込みを受け、債券44億ドルの損失と減損処理を余儀なくされた。

発表資料によると、純損失は8億3000万スイス・フラン(1株当たり

0.49フラン)。前年同期は22億フラン(同1.07フラン)の純利益だった。 ブ

ルームバーグがまとめたアナリスト予想中央値では、6億8300万フランの赤字 が見込まれていた。

UBSは米国の住宅不況のあおりを受け、評価損を追加計上する可能性が あることをあらためて示した。同行は前日、10-12月期はすべての分野で好調 なスタートを切ったものの、「期初のような好調が続いて、現在の問題が短期 間

で解決すると想定することはできない」との見解を示していた。

4カ月前にピーター・ウフリ前最高経営責任者(CEO)の後任に就任した マルセル・ローナー新CEOは、1500人の削減や投資銀行部門が取るリスクの 縮小を通じて業績てこ入れを目指している。ロベコのファンドマネジャー、マ ーク・グレーズナー氏は、「UBSは投資銀行部門の動きをうまく管理してい なかった」と述べ、「状況は今もあまり明らかになっていない」と指摘した。

UBSの証券部門の税引き前損失は36億8000万フラン。前年同期は10 億8000万フランの黒字だった。株式トレーディング収入はほぼ横ばいの17億 1000万フラン。M&A(合併・買収)仲介手数料は11億フランと、前年同期 の7億9700万フランから拡大した。

主力のウェルス・マネジメント部門の利益は約3割増加し、過去最高の16 億2000万フラン。旧ペイン・ウェバー部門を含む米ウェルス・マネジメント部 門の利益は1億8100万フランと、前年同期の4300万フランから拡大した。ス イスの消費者向け銀行部門の利益は前年同期比4%増の5億9100万フラン。

10-12月期

UBSは、10-12月(第4四半期)について、「すべての事業で良好な業 績で始まった」ものの、そうした好ましい状況が今後も同様に続いていくこと も、現在の困難な状況が短期的に解消されるということも考えることはできな いとしている。

UBSによれば30日現在で、同行は168億ドルを住宅ローン担保証券に 直接投資しているほか、約18億ドルを債務担保証券(CDO)に投じている。