米キャタピラーのリセッション入り警告、フォードなど他社は否定的

建設機械メーカーで最大手の米キャタピ ラーは、米経済が来年リセッション(景気後退)入りすると警告しているが、フ ォード・モーターやデュポン、インテルはこれに異論を唱えている。

キャタピラーは19日、米住宅不況を理由に利益予想を下方修正し、米経 済が08年に「リセッションに近づくか、リセッション入りする」との見方を示 した。同社の見方は依然、米企業の中で異端だ。TDアメリトレード・ホールデ ィングのジョゼフ・モグリア最高経営責任者(CEO)は、原油価格の高騰や住 宅価格の大幅下落、住宅ローンの焦げ付き問題で米経済は減速するだろうが、リ セッションに陥ることはないとみる。

モグリアCEOはインタビューで、「消費者はエネルギー価格の上昇や信 用サイクルの状況、不動産市場について心配している」と述べた上で、「こうし た懸念が消費者の行動に影響しないとは考えにくいが、必ずしもリセッションに 向かうことを意味しているわけではない」と指摘した。

2年にわたる住宅不況と住宅ローン関連損失が企業収益に打撃を与えてい る。ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種株価指数構成企 業の増益率は20四半期連続で10%を超えていたが、第3四半期は約5年ぶり にマイナスとなったもようだ。

住宅ローン損失

26日までに決算発表したS&P500種構成企業301社の平均では第3四 半期は0.8%減益。残りの構成企業の業績をアナリスト予想通りと想定した場 合、S&P500種の第3四半期決算は平均で1.6%減益となる。これは、住宅 ローン担保証券関連損失に見舞われた金融機関の業績が大きく影響している。証 券最大手メリルリンチが24日発表した2007年7―9月期決算は22億4000 万ドルの純損失となり、同社創業以来最大の赤字を記録。米銀最大手シティグル ープは15日、同四半期は57%減益となったと発表した。

金融機関を除くと、S&P500種構成企業の第3四半期決算は26日まで の発表ベースで11%増益となる(ブルームバーグ・データ)。ビジネス・カウ ンシルが11日に発表した米企業経営者調査では、米成長率が来年2%以下にと どまるものの、リセッション入りしないと答えた人が過半数を占めた。ブルーム バーグのエコノミスト調査では、07年第4四半期の米実質GDP(国内総生 産)伸び率は1.8%、08年は2.5%と見込まれている。米商務省が31日発表 する第3四半期GDP(速報値)は前期比年率3.1%増と予想されている。

デュポンのチャールズ・O・ホリデー・ジュニアCEOは23日、08年は 「世界のGDP伸び率が07年並みになると想定しており、米経済はリセッショ ン入りしない」との見方を示した。半導体最大手インテルのポール・オッテリー ニCEOも同日のインタビューで、米国のコンピューターの購入者は景気に不安 を持っていないようだと述べ、「ノート型パソコンはホットケーキのように売れ ており、企業は景気下降時に技術投資を行う傾向がある」と指摘した。

金融政策への期待

企業幹部らは、今週30、31両日開かれる米連邦公開市場委員会(FOM C)で当局が景気てこ入れのため利下げすると期待している。9月18日開催の FOMCは4年ぶりの利下げを実施。利下げ幅は0.5ポイントと、エコノミス ト予想よりも大幅だった。フォードのアラン・ムラリーCEOは10月15日に 記者団に対し、「米金融当局などが取った最近の行動を極めて楽観している」と 述べ、「サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題が改善し、住宅 市場が再び安定すると期待したい。米経済は成長しており、景気見通しは明る い」と語った。

26日の米金利先物市場では、0.25ポイントの利下げの可能性が92%織 り込まれていた。

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