米FRB議長、今週のFOMCで「渋々ながら」利下げか-31日発表

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長を初めとした米金融当局者らは、今週の利下げに「ノー」と言いたいもよ うだが、金融市場の期待に押されて利下げを余儀なくされる可能性がある。

バーナンキ議長ら当局者は前回のFOMC以来、30、31日のFOMCでの 利下げを示唆するような発言を慎んでいる。9月には市場予想よりも大幅な0.5 ポイントの利下げを実施したが、その後は見通しに不透明感が根強いことを強 調。バーナンキ議長は1週間に2回、政策決定の「難しさ」に言及した。

しかし、市場参加者の見方は違う。先週末のFF金利先物の動向は、トレ ーダーらが利下げをほぼ確実視していることを示唆した。予想を裏切れば、依 然脆弱(ぜいじゃく)な市場を動揺させ、景気に打撃を与える恐れがある。

ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルイス・クランドール氏は、「当 局は利下げに気が進まないようだ」が、「金融市場を不必要に動揺させることも 望まないだろう」と話す。

さまざまな要素を考慮すると、FOMCは市場が再び動揺し、原油高と住 宅価格下落のなかで米経済がリセッション(景気後退)入りするという最悪の シナリオを回避するため、利下げの結論に達する可能性が高い。

ただ、声明ではさらなる追加利下げを示唆せず、将来に双方向の選択肢を 残すとみられる。利下げが続くことが当然視されてドルが一段と下落し、イン フレ懸念が再燃するのを避けるためだ。JPモルガン・チェースのマイケル・ フェロリ氏は「FOMCは声明で、さらなる追加利下げの観測を抑えようとす るだろう」と述べた。

観測

FOMCは前回9月18日の会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘 導目標を0.5ポイント引き下げ4.75%とした。以来、10月の決定についての予 想は大きく振れた。先物金利が示す31日の利下げの確率は10月初めには75% だった。利下げ観測はその後、雇用統計結果などに伴って後退し、確率は50% 未満となった。その後に発表された大手金融機関の決算内容の不振や住宅市況 の弱さをあらためて示す指標を受けて、先週は利下げ観測が再び高まり、0.5ポ イント利下げ予想も台頭した。

スタンフォード・グループの上級経済顧問を務めるライル・グラムリー元 FRB理事は「市場は一喜一憂している」が、「当局は市場より冷静でなければ ならない」と述べた。同氏は据え置きを予想する数少ないエコノミストの1人 で、利下げを正当化するほどの景気の弱さを示す証拠がないと指摘した。

実際、当局者の発言は一部の市場参加者が言うほど景気が深刻な状態にあ るとは考えていないことを示唆し、金利据え置きで状況を見極めたい意向がう かがわれる。FRBが発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、 10月5日までに収集された情報に基づいて急激な成長減速の兆候を報告した連 銀地区はなかった。

シカゴ連銀のエバンス総裁は22日、「実体経済について前回のFOMC以 降にわれわれが得た情報は、当局の景気予想を支える内容だ」と語った。FO MCの予想によれば、景気は向こう1年で加速し、10-12月の成長率は2.5% を下回るものの、その後は同水準付近に回復する見込み。

元FRB理事で現在は米マクロエコノミック・アドバイザーズ副会長のロ ーレンス・マイヤー氏によれば、9月の0.5ポイント利下げは金融市場を十分 に安定させ、追加利下げ期待を抱かせないようにすることが目的だった。しか し市場は追加利下げを求め、当局が市場予想に従うと期待している。

バーナンキ議長は19日の講演で、視界不良の時期に中央銀行は慎重という よりも大胆に行動した方が賢明かもしれないと発言し、市場の期待通り追加利 下げをした場合の正当化とも受け取れるような議論を展開した。

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