UBSの7―9月決算は約5年ぶり赤字か、株主の信頼喪失-30日発表

富裕層向け資産運用大手、スイスのU BSが株主の信頼を失っている。

資産規模で欧州最大の銀行UBSは、トリプルAの信用格付けを受けてお り、顧客からの預かり資産は2兆8000億ドル(約320兆円)と、米政府の年 間予算に匹敵する。同行は2年前までは変動の激しい債券での運用を避けてい たが、この戦略を転換して住宅ローンへの投資を開始した矢先、米住宅市場が 崩壊し始めた。株価は下落し、7月にピーター・ウフリ最高経営責任者(CEO、 当時)が更迭され、今月にはクライブ・スタンディッシュ最高財務責任者(C FO)と投資銀行責任者のヒュー・ジェンキンス氏が退任する事態となった。

こうしたなか、マルセル・ローナー新CEO(43)は、投資銀行部門の予測 しにくい収益を安定した資産運用業務に統合していけることを投資家に説得し ていく必要がある。バンク・ボンホートの運用担当者、フランソワーズ・メン シ氏は、「UBSは常に安定しているとされていたが、今年の損失は他行よりも 悪い」と指摘した。同氏は、UBS株を売却しているという。

UBSが30日発表する2007年7-9月(第3四半期)決算は、債券やレ バレッジド・ローンの評価を約41億ドル引き下げたことから、約5年ぶりの赤 字となる見通しだ。UBSの業績は、今週、第3四半期決算を発表するドイツ 銀行やクレディ・スイス・グループに及ばない見込みだ。

ドイツ銀は3日、07年7-9月(第3四半期)決算が、税額控除や資産売 却に伴う利益の計上により、純利益が少なくとも前年同期比で13%増の14億 ユーロ強となる暫定集計を発表した。クレディ・スイスは継続事業ベースの利 益が前年同期比でかろうじて6%増となったもようだと説明している。

ローナーCEOは30日の決算発表前にコメントを差し控えている。マルセ ル・オスペル会長は今月、スイス紙NZZ日曜版のインタビューで、金利の変 化について「誤って判断した」と述べ、優秀な債券トレーダーをディロン・リ ードのヘッジファンドに異動させたことも状況を悪化させたと語っている。

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