NY外為(26日):ドルは対ユーロ最安値-米追加利下げ観測強まる

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対 ユーロで最安値を更新した。原油高と住宅市場の低迷で米国の消費者信頼感が 悪化している兆候を受け、追加利下げ観測の高まりからドル売りが優勢になっ た。

米住宅不況が企業収益を圧迫するとの思惑からドルはユーロに対し、週間 ベースで3週連続下落した。米住宅金融最大手カントリーワイド・ファイナン シャルが26日発表した2007年7-9月(第3四半期)決算は過去25年で初 の赤字に陥った。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツの国際通貨戦略責任者、アラ ン・ラスキン氏は「ドル安に弾みが付いている。実体経済からも金融業界から もドル売り材料になるような数字が続いており、ドルを圧迫している」と述 べた。

ニューヨーク時間午後4時38分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=

1.4394ドルと、前日の1.4324ドルから下落。一時は1.4393ドルまで下げ、 最安値を更新した。週間ベースでは主要16通貨のうち15通貨に対して下落、 南アフリカ・ランドに対しては4.5%下げた。ラスキン氏はドルが対ユーロで 来年3月には1.50ドルまで下落すると予想した。

年初来ではドルは16通貨すべてに対して下落。主要6通貨を対象とする ニューヨーク商品取引所(NYBOT)のドル指数は今年8%下落、この日は

76.977と、1973年に指数を導入して以来の最安値を更新した。

「一方向の取引」

TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボー ン氏は「ドル安という一方向の取引になっている。ドルが下値を探るのはほぼ 確実だ」と指摘。31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までにユーロに対 して1.4560ドルまで下落する可能性があるとの見方を示した。

ブルームバーグがまとめたアナリスト47人の予想中央値によると、ドル は来年6月までに1.40ドルまで回復する。

サルコジ仏大統領らユーロ圏の政治家はユーロ高の輸出への悪影響を懸念 している。一方、ドル安は米国の輸出を促進する。米商務省が11日に発表し た8月の貿易収支は576億ドルの赤字と1月以来で最低となった。

ドルと企業収益

アルトリア・グループによると、海外たばこ部門フィリップ・モリス・イ ンターナショナルの営業利益はドル安の恩恵などで前年同期比19%増の25億 ドルとなった。一方、仏エジードの米国部門はドル安の影響で12%の減収とな った。

ドルは今週、対円で0.2%安の1ドル=114円33銭となった。原油相場 が初めて1バレル=92ドルを上回り、カナダ・ドルは米ドルに対して1974年 以来で最高値を付けた。

先週、ワシントンで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) の共同声明はユーロ高については言及せず、中国の人民元がより速いペースで 上昇することを求めた。人民元は週間ベースで6週間ぶりの大幅高となり、1 ドル=7.4877元と、2005年7月のドル・ペッグ(連動)制廃止後の最高値 を更新した。

投資家信頼感

今週は世界的に株価が回復し、低金利国で資金を調達し、高金利国で運用 する「キャリー取引」が再び活発となった。前週は3.9%下落したS&P500 種株価指数は2.3%高となった。

円は対ユーロで一時、1ユーロ=164円57銭と1週間ぶりの安値を付け た。前日は163円54銭。

UBSの通貨ストラテジスト、ソフィア・ハーディ氏は「キャリー取引が 復活しているようだ」と語った。

10月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は80.9と、 速報値の82.0から下方修正され、2006年5月以来の最低水準となった。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(82.0)を下回り、 9月の83.4からも低下した。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、FOMCが31 日の定例会合でFF金利誘導目標を4.5%に引き下げる確率は92%。4.25% まで引き下げる確率は8%となっている。

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