日本株(終了)銀行や輸出主導で続落、サブプライムと中国利上げ観測

東京株式相場は続落した。米大手金融機関 の巨額損失が相次いで表面化するなど、サブプライム(信用力の低い個人向け) ローン問題解決への出口が見えず、みずほフィナンシャルグループを中心に銀行 株が下落。中国の利上げ観測を背景に円高が進んだことを受け、キヤノンなどの 電機株、トヨタ自動車などの自動車株といった輸出株も安い。東証業種別33指 数は26業種が売られた。

日経平均株価の終値は、前日比74円22銭(0.5%)安の1万6284円17銭。 TOPIXは同15.79ポイント(1%)安の1548.07。

RBCインベストメントの武田洋二ファンドマネジャー(香港在勤)は、 「サブプライムローン問題の峠は過ぎたと思っていた投資家も多かった。しかし 同問題が再び台頭してきており、終りが見えにくくなっている」と指摘。その結 果として、「われわれはポートフォリオをディフェンシブにし、キャッシュポジ ションを高めている」(同氏)という。

出口見えずにエネルギー低下

日本株相場は方向感に欠ける展開だった。日経平均株価は小幅反発して始ま ったものの、午後の取引開始直後に大きく下落し、一時は159円安の1万6199 円まで下げ、週初に付けた直近安値の1万6264円を割り込んだ。相場の上値を 抑えたのが、サブプライムローン問題の先行き不透明感だ。同問題に絡む損失の 実態が依然はっきりせず、投資家は様子見を決め込んだ。

米メリルリンチは24日、2007年7-9月(第3四半期)決算を発表。同問 題の影響で四半期としては創業以来の赤字を記録した。今月はじめに評価損の見 込み額を発表したが、評価損は84億ドル、純損失は22億4000万ドルと、見込 み額の約6倍となったため、投資家心理を一層冷え込ませた。

積極的に上値を追う向きはなく、日本株の市場エネルギーは低下、東証1部 の出来高は17億4403万株と、1日を通して活況と言われる20億株を6営業日 連続で下回った。サブプライムローン問題による損失が警戒される銀行株が売買 を伴って下げ、みずほフィナンシャルグループは年初来安値を更新。業種別のT OPIX下落寄与度1位は東証銀行指数となった。一方、日経平均先物の出来高 は11万8184枚と活況となり、相場は先物に振られやすい展開だった。

中国利上げ観測、円高進行

世界的なマネーフローの変調に敏感になる中、中国の利上げ観測が高まり、 不安を強めた。中国国家統計局がこの日発表した07年7-9月(第3四半期国 内総生産(GDP)伸び率は前年同期比11.5%となった。3四半期連続で11% を上回った。ちばぎんアセットマネジメントの長壁啓明ファンドマネージャーは、 「経済の過熱を抑えるために、人民元高と同国での利上げ観測が強まり、上海株 や深セン株が急落していることが嫌気されている」と指摘した。

人民元上昇に伴う円高進行も相場の上値を抑えた。午後に入り外国為替市場 のドル・円相場が一時1ドル=113円89銭まで円高が進行。午前の安値1ドル =114円27銭から一段の円高となった。業種別のTOPIX下落寄与度上位に は、電機機器、輸送用機器指数が並んだ。

ヤフーが急落、任天堂は乱高下

外部環境が安定しない中で頼みの綱は国内要因だが、国内企業の決算の本格 化を控えて動きづらい状況。業績面で悪材料の出た銘柄が売られ、業績に対する 敏感さがうかがえた。代表例はヤフー。保有するバリューコマース株の減損処理 などを計上し、第2四半期純利益が前年同期比4%減となったことを受け、スト ップ安(値幅制限いっぱいの下落)水準で終えた。

注目されていた午後2時に発表された任天堂の決算は、通期業績見通しが上 方修正されたものの、決算発表直後の株価は一時5.4%安の6万5100円まで売り 込まれた。その後は買いが先行してプラス圏に浮上し、乱高下した。

このほか、DRAMスポット価格の低迷懸念が強いエルピーダも大幅安とな り、エビや養殖サケの不振で中間利益を大幅減額の日本水産も急落。コスト増で 中間利益が下振れした丸大食品は東証1部の下落率2位となった。注目新薬の一 部治験を中断した第一三共も大幅安。

国内新興3市場は反落

新興3市場は反落した。ジャスダック指数が前日比3.1%安の77.47、東証 マザーズ指数は同3.8%安の888.75、大証ヘラクレス指数は同2.3%安の

1384.43。

ジャスダック市場では、液晶関連価格の下落の影響などを受け、通期業績予 想を下方修正したヒーハイスト精工が大幅安。競争激化でシステム販売の価格が 低下し、通期連結業績予想を下方修正したワイズマンはストップ安。半面、販売 管理費の減少などで中間期の営業利益予想を上方修正したヒップが大幅続伸。民 間企業の旺盛なシステム投資などを背景に、中間期の連結営業利益が前年同期比

68.8%増となった富士通ビー・エス・シーも大幅反発。

東証マザーズ市場は、前日に韓国ウェブゼンと独占ライセンス契約を締結し 大幅続伸していたゲームオンは一転して反落。半面、自社株買いを発表したng i groupが3日ぶりに反発。音声認識ビジネスの伸長などで中間期の連結 業績を上方修正したフュ-トレックも続伸した。

大証ヘラクレス市場は、民事再生手続きを取り下げて破産手続きを申し立て たクインランドが大幅反落。中間期の純利益が前年同期比56.5%減となったO DKソリューションズが大幅反落。半面、下期に予定していた不動産売買が上期 に繰り上がり中間期の業績を上方修正したSEEDがストップ高。

IPO3社の動向

人材サービスを手掛ける日本マニュファクチャリングサービスがジャスダッ ク市場に新規株式公開(IPO)した。初値は公募価格15万円を14%上回る17 万1000円。終値は15万7000円と初値を下回った。

電子部品の貴金属表面処理加工が主力の山王もジャスダック市場にIPOし た。公開価格(1万8000円)を5.6%下回る1万7000円で初値を付けた。終値 は1万7550円。

外国証拠金取引サービスを手がけるマネースクウェア・ジャパンは大証ヘラ クレス市場にIPOした。公募価格16万5000円に対し、初値は52%高の25万 1000円となった。終値は22万2000円。