第一三共株が急落、注目新薬「プラスグレル」の一部治験を中断(2)

国内医薬品2位の第一三共株が急落。次世 代の成長をけん引する新薬候補と位置付けてきた抗血栓治療薬「プラスグレル (開発コード名:CS-747)」の米国での一部臨床試験が一時中止された。無事 発売できれば年商3000億円クラスの世界的なヒット製品になるとの期待が持た れているため、開発スケジュールの見直しによる新薬の開発遅延などが警戒さ れた。

この日は取引開始前に55万株超の売り注文が出て、売り気配で取引を開始 した。午前9時20分ごろに前日比220円(6.3%)安の3280円で80万株が約 定した後も売りが優勢。午後1時25分現在の株価は7.4%安の3240円で、東証 1部下落率ランキング14位。

プラスグレルは、脳血管障害などの治療に使われるサノフィ・アベンティ スの「プラビックス」(06年の世界売上高は約6600億円)と同系統の抗血栓薬 で、第一三共は米製薬大手イーライ・リリーと共同で第3相臨床試験(フェー ズ3)を行ってきた。両社はこれまで2007年の年末までに新薬申請できると投 資家説明会などで説明してきた。

第一三共コーポレートコミュニケーション部の箕部泰生氏は、今回、臨床 試験を一時中止した小規模薬理試験のデータは、プラスグレルの承認申請時に 使われるものではないと説明。「(新薬承認後の)マーケティング活動をサポ ートするために行っていたもの」ということを強調している。第一三共とリリ ーはこの小規模な臨床薬理試験に際して119人の患者を組み入れたが、容量な どを見直すためプロトコル(臨床試験計画)を修正するのだという。

投資家もプラスグレルに注目

プラスグレルがプラビックスを上回る有効性を示せないとの懸念から、第 一三共株は8月上旬の3580円から9月上旬の2960円まで17%下落した。9月 以降は上げに転じていたが、今回の発表で「データに対する懸念や心配が強ま り、株価は当然下がってくる」(ジャパン・アドバイザリー・リミテッドの近 江光雄氏)とみられている。

ドイツ証券の舛添憲司シニアアナリストはブルームバーグ・ニュースの電 話取材に対し、「全く問題はない」と回答。「副作用などが出て試験を一時停 止した訳ではなく、容量設定などプロトコルを見直すために薬力学の試験をい ったん停止したものだ」と解説する。

近江氏も、新薬の開発では「よくあること」と強調、「プラスグレルの有 効性や同薬の今後を知るには、11月4日に公表が予定されるデータを見るしか ない」としている。

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