米メリルリンチの巨額損失、最も弱気のアナリストすら驚かす

米証券大手メリルリンチが24日発表した巨 額損失は、最高益を繰り返したこの3年を通じてほとんどの四半期に投資銀行 の利益を過小評価し続けてきた弱気なアナリストをすら驚かせた。

メリルの2007年7-9月(第3四半期)損益は、約22億ドル(1株当た り2.82ドル)の赤字。赤字幅は予想の6倍だった。アナリストは通常、トレー ディング収入が予想よりも高かったことが利益予想が外れた理由だと説明する が、今回はメリルの債券事業の損失の規模を見誤った。メリルは先に、約50億 ドル(約5710億円)の評価損を計上する見通しを明らかにしていたが、実際の 評価損は84億ドルだった。

メリルの1株損失について、アナリストは平均で45セントと予想していた。 メリルは50セントとの見積もりを示していた。ブルームバーグ・データによる と、アナリスト予想の外れの幅は少なくとも4年で最大だった。

ハーデスティ・キャピタル・マネジメントで運用に携わるジム・ハーデス ティ氏は「投資銀行の利益は最も予想が難しいものの一つだ」として、「1つの 四半期内ですら、業績の変動が大きい」と説明した。

投資銀行大手5社の利益は過去3年の平均で、アナリスト予想を15%上回 ってきた(ブルームバーグ調べ)。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの 利益がアナリスト予想を下回ったのは05年6-8月(第3四半期)が最後。ゴ ールドマン・サックス・グループの利益が予想に届かなかったのは3年の間に 1回のみだ。

メリルは24日、93年の同社の歴史で最悪の赤字を発表した。同社株は前日 比3.90ドル(5.8%)安の63.22ドルで終了した。

米証券5位のベアー・スターンズの今年6-8月(第3四半期)の利益は アナリスト予想を32%下回った。同社は9億ドルの評価損を計上し、同四半期 は61%減益となった。モルガン・スタンレーの利益は予想を10%下回った。同 社の継続事業ベースの利益は前年同期比7%減だった。リーマンは予想を4% 上回り、ゴールドマンは41%上回った。