日本株(終了)反落、輸出や銀行主導で午後崩れる-為替と米金融警戒

東京株式相場は午後に崩れて、反落とな った。米証券会社メリルリンチが評価損を追加計上する見通しだと午後に一部 で伝わり、外国為替市場での円高進行や米国経済の先行きに対する警戒感が高 まった。キヤノンやTDK、ソニー、トヨタ自動車など輸出関連株が売りに押 されたほか、三井住友フィナンシャルグループなど銀行株も下げて終えた。

日経平均株価の終値は前日比92円19銭(0.6%)安の1万6358円39銭。 TOPIXは同6.69ポイント(0.4%)安の1563.86で終えた。東証1部の出 来高は概算で17億7033万株、売買代金は2兆4207億円。値下がり銘柄数は 932、値上がりは657。

みずほ投信投資顧問運用本部の荒野浩理事は、メリルについての報道は米 住宅問題の根深さを如実に示し、「世界の株式市場にとってマイナス要因とな るものだ」と指摘した。

ただ荒野氏は、より深刻なのは日本経済がデフレ状態から抜けきれないこ とだと強調。「消費者物価が安定的にプラスとなり、雇用者所得が増える循環 に入ってこない限り、日本株を積極的に買うインセンティブ(動機)は高まっ てこない。せいぜい、消去法的に資源関連株が買われる程度だろう」との認識 を示している。

午前の高値引けから一変、米住宅統計も控える

この日の日本株は買い先行で始まった。日経平均の始値は前日比67円高 の1万6518円。朝方は小口の売り買いが交錯し、方向感を欠く展開となった。 午前9時半前には節目の1万6500円を割り込み1万6491円まで下げる場面が あったが、この水準を底に買い戻しが優勢となり、すぐに節目を回復。その後 は1万6500円台前半での推移が続いた。午前の取引後半となる10時半過ぎか らは、急速に値を切り上げ、午前は128円高の1万6578円と高値で引けた。

午後に入ると値を切り下げ、日経平均は午後1時半前に下げに転じ、一時 は下げ幅を120円まで広げた。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT、オンラ イン版)が24日、米メリルリンチが同日発表する2007年7-9月(第3四半 期)決算で、先の公表分に加え、25億ドル(約2860億円)の評価損を計上す る見通しだと報じたことを受けて、米住宅問題の広がりに対する警戒感が高ま った格好だ。

米国時間の24日と25日に米住宅関連指標の発表を控えており、「米国景 気の悪化を示す数値が出て、円キャリーの解消による円高が進行することへの 警戒感は根強い」(立花証券の平野憲一執行役員)との声も聞かれた。

米国では、24日に9月の中古住宅販売、25日には9月の新築住宅販売が 発表される。ブルームバーグ・ニュースの調査によると、中古住宅の販売件数 は前月に比ベ4.5%減少(中央値)する見通し。新築住宅も同3.1%減(同) が見込まれており、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の 焦げ付き問題などを背景に、住宅市場の調整が長引いていることを裏付けるこ とになりそうだ。

キヤノンが3%超安、3大金融グループはそろって下げ

輸出関連株では、キヤノンが3%超下げるなど電機株が売られたほか、ト ヨタや日産自動車といった自動車株も安い。オリンパスなど精密機器にも下落 銘柄が目立った。銀行株では、三井住友FG、三菱UFJフィナンシャル・グ ループ、みずほフィナンシャルグループがそろって午後に失速し、下落転換し て終えた。

ブリヂストンが3%超下げ、TOPIXゴム製品指数は全33業種中で値 下がり率トップ。アイフルや武富士など消費者金融株も売り込まれた。JR西 日本など陸運株、三井住友海上火災保険など保険株も安い。株式市場での売買 水準の低減傾向を背景に、委託手数料収入の減少懸念から、みずほインベスタ ーズ証券など証券株の一部も売られた。

午後1時に通期(08年3月期)業績予想を引き上げた信越化学工業は、 アナリスト予想に未達だったこともあり、下げて終えた。国内販売低迷や子会 社の固定資産に絡む減損処理などで08年3月通期の連結純利益は135億円 (従来予想は215億円)にとどまる見通しとなった日清食品は続落だが、取引 終了にかけて下げ幅を縮めた。

新興国景気の敏感業種高い、中外薬急伸

半面、三井物産や三菱商事など総合商社株、住友金属鉱山など非鉄株、川 崎汽船など海運株といった新興諸国の景気動向に敏感な銘柄の一角が買われた。

大和総研は23日付で素材セクターの投資判断を「アウトパフォーム」に 引き上げており、住友金属工業や神戸製鋼所などの鉄鋼株が買われ、住友化学 や昭和電工など化学株の一角も上げた。同総研の素材チームでは、価格転嫁力 の強まりとともに、素材セクターの収益が拡大していると指摘。特に、「鉄鋼 や化学といった主要素材セクターについては、業績モメンタムの踊り場から脱 却し、新たな利益成長ステージへと移行しつつある」と分析している。

テーマパークの入園者数が計画を上回り、9月中間期の純利益予想を59 億円から84億円に引き上げたオリエンタルランドが大幅続伸。1-9月業績 が良好な内容だった中外製薬は5%超上げ、通期(2008年3月期)業績見通 しが上振れると一部で伝わった武田薬品工業は4営業日ぶりに反発した。

新興3市場は上昇

国内新興3市場の株価指数はそろって上昇した。ジャスダック指数が

1.10ポイント(1.4%)高の79.93、東証マザーズ指数は19.98ポイント (2.2%)高の923.56と、ともに反発。大証ヘラクレス指数は23.64ポイント (1.7%)高の1417.26と続伸。

ジャスダック市場では、7―9月期の連結業績予想を上方修正したワーク スアプリケーションズが大幅に続伸し、連日で年初来高値を更新した。9月中 間期の業績予想を上方修正したシステムリサーチも急伸。ファンコミュニケー ションズ、インテリジェンス、インデックス・ホールディングスも買い進まれ た。半面、上場4日目のエー・ディー・ワークスが大幅続落。楽天、オプトが 小安い。

マザーズ市場では、韓国の企業とオンラインゲームの独占契約を結んだと 発表したゲームオンが買われ、9月中間期の連結最終損益が黒字転換したもよ うと発表したタカラバイオがストップ高(値幅制限の上限)まで買い進まれた。 07年9月期の業績予想を増額修正したメディネットも急伸。半面、ACCE SS、アルデプロ、リアルコムが売られた。

ヘラクレス市場では、直近上場のナチュラムが売られ、ゼンテック・テク ノロジーズ・ジャパン、テクノアルファは大幅続落。エン・ジャパンは反落。 半面、不動産ファンドを運営するアセット・マネジャーズ、ダヴィンチ・アド バイザーズが高い。マネーパートナーズも買われた。

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