米ウォルマートが西友を完全子会社化、TOBで株式100%取得(5)

世界最大の小売業、米ウォルマート・スト アーズは22日、傘下のスーパーである西友を株式公開買い付け(TOB)で完 全子会社化すると発表した。西友は決算期変更を含めて6期連続で最終赤字見通 しとなるなど業績不振が続いており、抜本的なてこ入れが必要と判断、株式を非 公開とし、再建を加速する。

ウォルマートによる西友へのTOB価格は普通株式1株140円、優先株式は 1株1000円。普通株式のTOB価格は19日終値との比較で約61%高い水準と なる。買い付け期間は10月23日から12月4日まで。TOBが成立すると東証 1部の西友株は上場廃止になる予定。西友はこのTOBに賛同の意見を表明して いる。

新生証券の宮川淳子シニアアナリストはウォルマートによる西友の完全子会 社化について「西友にとりプラスの動きとして評価できる。少数株主がなくなる ことで、ウォルマートの経営方針の展開が速くなるだろう」と評価。さらに「ウ ォルマートは西友を通じて、日本での本格的な事業展開をコミットする姿勢を示 していると思う。西友も資金力があるウォルマートの完全子会社化となることで、 信用力も高まるだろう」との見方を示した。

「取引先が安心できる」

ウォルマートと西友は同日夕に会見を開いた。ウォルマートのシニア・バ イス・プレジデント、ブレット・ビッグス氏は会見で、「日本市場には大きな成 長ポテンシャルがあり、ウォルマートの提供する価値が機能する市場と信じてい る」と指摘したうえで、完全子会社化により「これまで以上に柔軟な投資ができ、 より低価格で良い商品を提供できるようになる」と語った。

さらには、西友からの出資引き上げの懸念、噂が取引先などにあったが、 「完全子会社化によりウォルマートがフルコミットしていることが確認され、取 引先も安心できる」と語った。今後のM&A(企業の合併・買収)については 「事業展開していくなかで、ウォルマートは意味あるプレーヤーであり続けた い」とし、「日本市場に関わらず成長拡大する手段として買収は考える」と述べた。

02年以降、投資額約2470億円

ウォルマートの報道資料によれば、西友株すべてを取得した場合の追加投資 額は約1000億円となる。ウォルマートはすでに西友株式の50.9%を保有してお り、2002年以降に西友に投じた総投資額は2470億円となる。

会見に同席した西友のエドワード・J・カレジェッスキー最高経営責任者 (CEO)は「西友の店舗は現在393店舗。これだけの店舗があれば、バイイン グ・パワーを発揮できる」と述べたほか、「店舗閉鎖は計画していない。今後は 改装店舗数を増やしていく」という。ウォルマートは西友を完全子会社化するこ とで、経営や投資などに関する意思決定を迅速にすることが可能になるほか、商 品開発や店舗改装、物流面などへの投資を柔軟にできると期待している。

両社は02年5月に資本・業務提携を結んだ。当初は西友株の発行済み株式

6.1%を保有していたが、段階的に出資比率を高めている。西友はエブリデーロ ープライス(毎日安売り)といったウォルマート方式を取り入れ、経営の立て直 しを図ってきたが、業績回復には至っていない。

6期連続で最終赤字

西友が同日発表した通期(2007年12月期)の連結業績予想は、純損失が 104億円(前期は558億円の損失)と6期連続の最終赤字となる見通し。季節商 品や衣料品の不振に加え早期退職制度に伴う退職加算金45億円を特別損失に計 上することが響く。

この日の西友株の売買は午前8時20分から終日停止となった。西友株の19 日終値は前日比1円(1.1%)安の87円。

--共同取材:桑子かつ代 Editor:Okubo(kok/tkm/sgm/kok/kzh)

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