中国:アジア諸国からの輸入を縮小-隣国の雇用や経済成長に影響も

中国への雇用や製造業の流入に注意を払っ ているのは米国だけではない。中国の隣国でもそうした動きに警戒感が一段と 強まっている。

中国は付加価値の高い中間財や資本財の生産を伸ばしており、以前は海外 から買い入れていたこうした製品について、アジア諸国からの輸入依存度を低 下させている。米景気減速に伴い輸出が減少する恐れのある国々にとって、中 国のこうした動向は成長を脅かしかねないものとなっている。

シンガポール人材開発省の統計によれば、同国では2004年以降、エレク トロニクス生産関連の人材、1万3500人以上が職を失った。国際通貨基金(I MF)は先週、07年に7.5%と見込まれているシンガポール経済成長率が、08 年には5.8%に低下するとの見通しを示した。フィリピンやマレーシア、台湾、 韓国に関しても景気拡大ペースが鈍化しているという。

メリルリンチのアジア地域主任エコノミスト、T・J・ボンド氏(香港在 勤)は「中国はサプライチェーンを重視している」と指摘。「中国が労働集約的 な生産をしながら、海外から高い付加価値のある製品を購入しているという見 方は、大ざっぱに言って現在も正しいかもしれない。しかし、この状況が永遠 に続くわけではない」と述べた。

IMFによれば、中国から東アジア諸国への「ポジティブなスピルオーバ ー」は既に減少してきている。IMFのエコノミスト、リ・ツイ氏は、9月に 公表したリポートで「ここ数年間における中国の対外貿易の構造は、10年前と は非常に異なっているようだ」と指摘し、「中国は生産チェーンで、より多くの 部分を専門化し始めているため、アジア地域からの中間財輸入が減少する可能 性がある」との認識を示した。

生産移管

統計によれば、東芝がノート型パソコンの生産を中国に移管したことで、 それまでの生産地だったフィリピンは年間最大10億ドル(約1140億円)相当 の輸出を失った。中国の胡錦濤国家主席は先週、北京で開かれた共産党大会で の演説で、国内製造業を最終製品の単純な組み立てから、ハイテク製品を設計 から完成まで扱うよう変えていくとの目標をあらためて言明した。

ファースト・エンジニアリングのマネジング・ディレクター、J・R・オ ン氏は、「15-20年前、中国は製品組み立てに必要な部品の2-3割しか生産 できなかった。現在では、その割合は8-9割に達している」と話した。

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