米国株見通し:一部欧州ファンド、ドル安による米企業業績回復に期待

米国株の急落は相場のピークを示すサイ ンだと多くの投資家が認めるなか、一部の欧州大手資産運用会社は、米企業収 益の回復と欧州企業の利益鈍化を予想している。

アナリスト予想では、S&P500種株価指数構成企業の四半期決算は2002 年以来の減益と見込まれているが、フォルティス・プライベート・バンキング やニュー・スター・アセット・マネジメント、CCLAインベストメント・マ ネジメントは、ドル安や金利低下が米企業業績に追い風になるとして、来年の 業績拡大の加速を期待している。

ブルームバーグがまとめたデータによると、米企業の08年増益率のアナ リスト予想はこの2カ月で12%に上昇した一方、欧州企業の総益率予想は 11%に低下した。ブルームバーグとUBSのデータによると、米企業の増益率 が欧州企業を上回るのは04年以来となる。

ギローム・デュシェスネ氏は「米国では企業業績は良い方向に進展してい る。悪材料の大半は相場に織り込み済みだ」と指摘、「欧州の見通しは高いた め、悪材料のリスクが一段と重視されている」と述べた。フォルティスは約1 年ぶりに米国株の配分比率を「オーバーウエート」とし、欧州株の保有を減ら したという。

先週は悪材料が相次ぎ、S&P500種株価指数は前週末比3.9%安の

1500.63ポイントと、7月以来最大の下げを演じた。バーナンキ米連邦準備制 度理事会(FRB)議長は、過去16年で最悪の住宅不況が08年まで続く可能 性があると述べた上、バンク・オブ・アメリカやキャタピラーなどの米大手企 業がアナリスト予想を下回る利益を発表した。

S&P500種の株価収益率(PER)は今月、18倍と、ダウ欧州株価指数 との比較で05年以降最も割高な水準となった。DWSインベストメンツのフ ァンドマネジャー、トーマス・シュースラー氏は「米国は魅力が高まりつつあ るが、ドル安がどこまで進むかという点が要注意だ」と述べ、「株式相場は好 調になるかもしれないが、為替差損を被る可能性もあり、欧州の投資家にはS &P500種はあまり魅力がない」と語った。

S&P500種は年初来で5.8%上昇しているが、ドルが対ユーロで年初以 降7.7%下落したことを考慮した場合、ユーロ圏の投資家にとってのリターン はマイナス2.2%となる。ドルは先週、対ユーロで最安値1ユーロ=1.4319ド ルを付けた。