NY外為(19日):円が対ユーロで大幅高-株安でキャリー解消(2)

ニューヨーク外国為替市場では円がユーロ に対して上昇、過去6週間で最大の値上がりを記録した。世界的な株安で投資 家が低金利通貨の円で資金を調達し、高金利通貨で運用する円キャリー取引を 解消した。

円はドルに対して5営業日続伸。また週間ベースでの円はユーロに対してほ ぼ2カ月ぶりの大幅高となった。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が この日、ワシントンで開かれたが、G7声明草案では人民元の「上昇加速」が 呼びかけられた。

三菱東京UFJ銀行の米国コーポレート外為セールス部門のバイスプレジデ ント、ロバート・フレム氏は、「リスク回避が中心テーマであり、市場参加者 はリスクを縮小している。G7声明は基本的に前回の繰り返しであり、サプラ イズは何もない」と語った。

ニューヨーク時間午後4時27分現在、円はユーロに対して163円76銭、前 日は165円30銭だった。円は一時、10月3日以来の高値となる1ユーロ=163 円70銭をつけた。円はドルに対しては114円55銭、前日は115円63銭だった。 円はまた、主要16通貨に対しても上昇した。

国際通貨基金(IMF)は今週発表した世界経済見通しで、2008年の米国の 経済成長率をこれまでの2.8%から1.9%に引き下げた。信用市場での大規模な 売りが企業業績や個人消費の落ち込みにつながるとの懸念が背景。

ダウ平均、367ドル安

ダウ工業株30種平均は前日比367ドル安と、9月18日の利下げを受けた上 昇分の大部分を失った。シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、 JPモルガン・チェースといった金融機関の株が売られたほか、エネルギー企 業も安かった。

これまでの活発なキャリー取引により、円は過去1年間でユーロに対して 9%下落し、豪ドルに対しては12.3%値下がりした。

日本の政策金利は0.5%。欧州と米国の政策金利はそれぞれ4%と4.75%。 オーストラリアは同6.5%となっている。

信用市場のリスクが上昇している兆候がみられるなか、北米の投資適格級企 業で構成するCDX北米投資適格指数のクレジット・デフォルトスワップ(C DS)スプレッドは週間で10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上 昇した(ドイツ銀行調べ)。この日のCDSスプレッドは1.75bp上昇して56 bpとなっている。

人民元

人民元は年初来、米ドルに対して3.9%上昇しているが、これはユーロの対 ドルでの上昇率に比べて半分に満たない。人民元はユーロに対しては4%下げ ている。

中国の外貨準備高は過去最高の1兆4000億ドルに拡大した。中国国家発展 改革委員会(NDRC)が先月発表した見通しによると今年の中国の貿易黒字 は3000億ドルに拡大する。2006年は1775億ドルだった。

中国人民銀行の周小川総裁は18日、北京での中国共産党大会で記者団に対 し、今週末のIMF総会で欧州連合(EU)と人民元について協議する予定だ と語った。

対ドルでのユーロは1ユーロ=1.4294ドル。前日は同1.4295ドルだった。こ の日は一時、同1.4319ドルの最高値を記録する場面があった。

金利先物市場動向によると、今月31日のFOMC会合でFF金利が4.5%に 引き下げられる確率は92%を示している。1週間前は32%だった。

クレディ・スイス・グループによると、ドルは年末までに対円で121円、対 ユーロで1.41ドルまで回復する可能性がある。

カナダ・ドルは対米ドルで0.8%上昇して、1.0350米ドルと、1974年以来の 高値。カナダの9月の消費者物価の伸びが予想を上回ったのが背景。