ふくおかFG:規模拡大へ九州で買収模索-収益力トップ級目指す(2)

ふくおかフィナンシャルグループ(FG)の 谷正明社長(64)は18日、福岡市の本店でブルームバーグ・ニュースのインタ ビューに答え、M&A(買収・合併)などを通じた営業基盤の拡大に意欲を示し た。現在の地盤である福岡県や熊本県では成長は限られるとの判断から、九州全 域に営業基盤を広げて収益力を拡大したい考えだ。

谷社長は「我々の展開する広域型の地域金融というビジネスモデルの考えを 共有できるところがあれば(経営統合を)拒むものではない」と指摘。対象とし ては「同じ九州域内が考えられる」と述べた。営業基盤となる九州経済は九州新 幹線の全線開通などで今後も発展を続けるとみており、これらも背景に5年後の 地銀トップクラスの収益性確保に自信を示した。

道州制見据え、九州「覇権」

ふくおかFGは福岡銀行を中心に今年、第二地銀の熊本ファミリー銀行と長 崎県地盤の親和銀行を傘下に収め、資産規模で横浜銀行を抜き地銀トップとなっ た。政府が地方での少子高齢化問題などの克服を視野に、47都道府県を10前後 に集約して経済規模を拡大させる道州制を検討する動きも見据え、九州という1 つの大きな経済ブロックのなかで絶対的地位を築きたい狙いもある。

現在の構想では、ふくおかFGは8県が1つになる九州ブロック内。九州経 済産業局によれば、人口は1340万人、総生産は44兆円で経済規模はスイスに匹敵。 ふくおかFG地盤の福岡、熊本、長崎の3県で6割以上を占める。日本政策投資 銀行九州支店の武田浩企画調査課長は11年の九州新幹線(博多-鹿児島中央 間)全線開通もあり「九州地域の企業部門の好調さはしばらく続く」とみている。

5年後コア業純1200億円目標

谷社長は、現在の同グループ(福岡銀、親和銀、熊本ファミリー銀)の収益 性や健全性について、特に親和、熊本ファミのレベルを今後5年間で大幅に引き 上げ「地銀トップクラスを目指す」と強調した。2012年3月期の財務目標とし てコア業務純益1200億円以上(07年3月期の3行単純合算で900億円)、連結 当期利益650億円以上(同▲917億円)、不良債権比率1%台(同4.9%)を掲 げている。

UBS証券の田村晋一アナリストは、「九州の経済発展に合わせて銀行が成 長していくには、九州一円に拠点を持つ必要がある」と指摘。ふくおかFGが九 州全域に営業基盤を拡大していくために「同じ業界の地銀だけでなく第2地銀を 統合していくことも考えられる」という。現在、同グループを除く九州地区の地 銀は鹿児島銀行など10行、第二地銀も7行ある。

ふくおかFGは、総資産では11兆6700億円(2007年3月末の3行合算) となり、横浜銀行を抜いて地銀トップとなった。グループの規模は、預金残高 10兆円、貸出金残高7兆7000億円、営業拠点数379カ店、行員数7920人。

●谷正明(たに・まさあき):1966年早大第一法学部卒、福岡銀行入行、93年 取締役、95年常務、99年専務、00年福頭取、05年頭取、07年ふくおかFG会 長兼社長(福岡銀頭取兼務)。