日本株は大幅反落、米銀の決算悪化で銀行中心に安い-国内住宅不安

午前の東京株式相場は大幅反落し、日経 平均株価は一時300円以上安くなる場面もあった。米大手銀行の業績悪化など が銀行株下げにつながり、為替の円高進行からトヨタ自動車やキヤノンなど輸 出関連株も安い。国内住宅建設の遅れによる悪影響が不安視され、建設資材株 や住宅・不動産関連株も軟調。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「米銀行が収益先行き の見通しについても慎重にみていることが信用不安を高める一因となっている。 改善しすぎた投資家心理が現実に引き戻された」と語った。さらに長野氏は国 内住宅着工の遅れについて、「10-12月期の企業業績に影響を与えるだろう」 との見方も示した。

日経平均株価の午前終値は前日比271円98銭(1.6%)安の1万6834円 11銭、TOPIXは23.96ポイント(1.5%)安の1593.79。東証1部の売買 高は概算で7億6943万株、売買代金は同1兆786億円。値上がり銘柄数は245、 値下がり銘柄数は1377。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が2、値下がり業種が31。 その他金融、鉱業が高い。半面、銀行、電気機器、輸送用機器、化学、鉄鋼、 不動産、情報・通信、卸売、機械が安い。

福井総裁も心配、米景気の先行き不確実性

午前の日経平均は下げが広がり、一時316円(1.9%)安の1万6790円ま で売られた。要因は国内外の景気や企業業績に対する不透明感だ。米銀2位の バンク・オブ・アメリカは18日、7-9月期純利益が前年同期比32%減(1 株当たり82セント)になったと発表。トレーディング損失や貸出先の債務不 履行、評価損が響いた。住宅市場の悪化が米景気や企業業績に影響を及ぼすと して、18日のS&P500種株価指数は反落した。

グローバル的な金融株安の流れに加え、「米リスク警戒の動きや、日本銀 行の福井総裁の発言が国内利上げ観測の後退につながった」(大和証券SMB Cエクイティ・マーケティング部の高橋和宏部長)として銀行株が軒並み安。 東証1部の銀行株は85銘柄中の95%が下げ、TOPIX銀行株指数は直近安 値だった17日水準を下回った。

19日からの7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席するため、ワ シントンを訪問した日本銀行の福井俊彦総裁は現地時間の18日夕(日本時間 19日朝)、記者団に対し、米経済について「住宅市場の調整が少し長引いてい ることが懸念材料になっており、先行きの不確実性を少し高めている」と言及 した。

米景気懸念や利下げ観測によって円キャリー取引の解消が進み、外国為替 市場では円高が進展。午前のドル・円相場は1ドル=115円3銭と今月1日以 来の円高水準となり、輸出関連株の売り圧力につながった。G7も控えている とあって、「きょうは為替動向をにらんだ1日となりそう」(十字屋証券第1 ディーリングチームの岡本征良チームリーダー)との声が聞かれた。

住宅着工の遅れも警戒

一方、国内では6月の改正建築基準法の影響から、新設住宅着工が遅れ気 味であることが景気への不安材料視された。午前の東証1部値下がり率上位に は住友大阪セメントなど建設資材関連株のほか、サンウエーブ工業などの住宅 設備株、住宅株や不動産関連株が並んだ。

大和投信の長野氏は、「住宅着工の遅れは7-9月期GDP(国内総生 産)に対してかなりの押し下げ要因になる上、企業業績へも10-12月期に影 響が出るだろう」と予想する。長野氏は、この問題が2007年度の企業業績全 体を大きく押し下げるほどにはならないものの、「影響は軽微ではないだろ う」としていた。

その他金融株が高い

半面、消費者金融株が高い。9月中間期の連結純損益が前年同期の赤字か ら黒字になったようと発表したアコムが午前の東証1部値上がり率2位と大幅 高。武富士、アイフル、プロミス、イオンクレジットサービス、クレディセゾ ンなどのノンバンク株もそろって東証1部値上がり率上位に入った。「アコム の決算で足元での過払い金負担の増大がみられなかったことで、9月中間期業 績期待から買い戻しが増加した」(大和SMBCの高橋氏)という。

ダイダン値下がり首位、日電子は急伸

個別では、9月中間期の連結営業赤字が拡大見込みとなったダイダンが急 落して午前の東証1部値下がり率の首位となった。日興シティグループ証券が 目標株価を引き下げたコムシスホールディングスや大明などの電気通信設備株 も大きく売られた。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き下げた日本 高純度化学、野村証券が投資判断を「中立」に引き下げたユナイテッド・アロ ーズも大幅安となった。2008年3月期の連結純利益計画を従来計画から約5% 引き下げた共栄タンカーは急反落。

半面、野村証券が新規に「買い」とした日本電子が東証1部値上がり率4 位と急伸。9月中間期の連結営業利益は前年同期比減益予想が一転して増益に なったもようだと19日付の日本経済新聞が報じた小糸製作所は3日続伸した。 キリンホールデングスが医薬品の協和発酵工業を買収する方向で同社と交渉に 入ったと19日付の日本経済新聞朝刊が報じ、キリンは小幅高で、協和発酵は 買い気配のまま値幅制限いっぱいのストップ高。

--共同取材:日高 正裕  Editor:inkyo

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