日本株(終了)反発、米印など外部環境落ち着く-金融や輸出買い戻し

東京株式相場は反発。米国で発表された 複数の企業の7-9月期決算が総じて良好な内容だったほか、前日急落したイ ンド株が反発するなど、外部環境の好転が投資家の買い安心感を誘った。みず ほフィナンシャルグループなど銀行株が総じて高く、野村ホールディングスが 7営業日ぶりに反発するなど証券株も上昇。キヤノンや信越化学工業など時価 総額の大きい外需関連株の一角、商社株も買われた。

日経平均株価の終値は前日比150円78銭(0.9%)高の1万7106円9銭、 前日に約2週間ぶりに割り込んだ1万7000円の節目を回復。TOPIXは同

17.46ポイント(1.1%)高の1617.75。東証1部の出来高は概算で17億4988 万株、売買代金は2兆5636億円。値上がり銘柄数は1345、値下がりは300。

米利下げ期待の再燃も寄与

三菱UFJ投信の宮崎高志運用戦略部長は、米国株や為替市場が落ち着い た動きとなったほか、前日に急落したインド株が反発するなど、「外部環境の 悪化に歯止めがかかったことで市場センチメントがやや改善した」と指摘。そ のため、「銀行株など直近で売り込まれた業種や、個別に好材料の出た銘柄が 着実に物色された」(同氏)という。

また、米国の住宅関連指標が弱含み、「一時しぼんだ米追加利下げの期待 が再び高まってきていることも、きょうの相場を押し上げた一因」(宮崎氏) との見方を示していた。

外資証売り越しで朝方弱め、取引後半に上げ幅広げる

「朝方の外資系証券経由の売買動向が大幅な売り越し観測となったことが、 一部で嫌気された」(岡三投資顧問の伊藤嘉洋常務)こともあり、日経平均の 寄り付きは1万6974円と、節目の1万7000円や米シカゴ先物市場(CME) の日経平均先物12月物の17日清算値(1万7035円)には届かなかった。し かし、株価指数先物への買い戻しや銀行株などへの実需買いが徐々に活発化し、 午前の日経平均は前場の高値圏で終えた。

午後に入ると、昼休み中の東証立会外で入ったバスケット取引が売り優勢 だったことをきっかけに、取引開始直後は伸び悩んだが、その後は再浮上して 午前に付けたこの日の高値(1万7112円)を午後2時前に上回った。一時は 192円高の1万7147円まで上昇。

豊証券の菊池由文取締役によると、「インド株急落の余波を被った前日の 下げでも、一目均衡表の雲の上限(1万6795円)を下回らなかったことで、 この水準を下値として再度戻りを試す展開に入ってきている」という。ただ菊 池氏は、来週から発表が本格化する中間期決算の内容を見極めたいとして、 「投資家は積極的な売買を見送っていた」と話した。

みずほFGと三井住友Fは3%超上昇

銀行株では、みずほFGと三井住友フィナンシャルグループが3%超上昇 した。野村HDやカブドットコム証券など証券株、アイフルなどその他金融株 も買い進まれた。岡三投資顧問の伊藤常務は、これら金融株について「サブプ ライム問題の影響を被ることへの警戒感から直近の下げがきつかった。バリュ エーション面で割高感が薄れてきていることも、投資家の買い戻しを誘いやす くしている」(同氏)と見ていた。

ブルームバーグ・プロフェッショナルでTOPIXが直近の戻り高値を付 けた10月11日から前日17日までの業種別指数の下落率を見ると、第1位が 銀行(12%安)、第2位がその他金融業(11%安)となっているほか、証券・ 商品先物取引業(7.6%安)も4位に入り、いずれも当該機関のTOPIX下 落率(4.6%安)を大きく上回る。

三井物が初の3000円乗せ、川重が5%近く上昇

また、日本株との連動性の高い米ナスダック総合指数が反発したことを背 景に、キヤノンや村田製作所など電機株、トヨタ自動車やホンダなどの自動車 株、商船三井など海運株といった外需依存度の高い業種や銘柄が高い。電機株 では、米インテルの好決算を好感する流れが続いてイビデンや新光電気工業は 連日高。原油価格の高止まりを背景に、権益事業などを手掛ける総合商社株も 買われ、三井物産は初の3000円乗せとなった。

海運や商社などは新興国の経済発展の恩恵を受け、業績安心感が強い業種 との見方が市場で浸透しているが、新光証券の山内滋紀マーケットアナリスト も「経済の強いところに展開しているところは、結果的に好業績。来週から本 格化する決算は注視される」と話している。

国際通貨基金(IMF)は17日、世界経済見通しで2008年の世界の経済 成長率予想を7月時点の5.2%成長から4.8%成長に下方修正した。米国につ いては2.8%から1.9%に引き下げられ、日本も2%から1.7%に下方修正。中 国は10.5%から0.5ポイント引き下げられたが、なお10%成長を維持する。

HDD(ハードディスク駆動装置)用ガラスディスクの歩留まり改善で、 9月中間期の連結営業利益が前年同期比10%減の500億円程度(従来計画は 490億円)になったもようと、18日付の日本経済新聞朝刊が報じたHOYAが 約3カ月ぶり高値。自社株買いの実施を発表したマツモトキヨシホールディン グスと宮入バルブ製作所がともに急騰。

昼休み時間帯に、コストや固定費削減のほか為替円安などが寄与するとし て、9月中間期連結の利益予想を上方修正した川崎重工業は5%近く上昇。C LSAアジアパシフィックマーケッツが17日付で、「買い」の投資判断を継 続した旭硝子が5営業日ぶりに急反発。TOPIXガラス・土石製品指数は、 全33指数中で値上がり率1位となった。

日インタが下落率1位、ポスコ余波で住金軟調

半面、半導体素子製品の低迷で9月中間期と08年3月通期の業績予想を 減額した日本インターが急落し、年初来安値を更新。日インタは東証1部の値 下がり率1位。豆乳回復の兆しはまだみられないとして、一部アナリストが弱 き見通しを示した紀文フードケミファも年初来安値。天候不順を受けた値引き 販売の増加に伴う粗利益率悪化で、07年8月中間期の最終損益が30億円の赤 字となったレナウンは5日続落。

住友金属工業など鉄鋼株の一角も軟調。「世界4位の製鉄会社、韓国のポ スコの07年7-9月期利益が予想以下となったことを嫌気した売りが続い た」(ちばぎんアセットマネジメントの長壁啓明ファンドマネージャー)。

新興3指数は軒並み反発、マザーズ指数は7%高

国内新興3市場の株価指数はそろって上昇。ジャスダック指数が1.86ポ イント(2.4%)高の78.36と3日ぶり反発。東証マザーズ指数は59.50ポイ ント(7.2%)高の883.84と5営業日ぶり反発。大証ヘラクレス指数は61.07 ポイント(4.7%)安の1363.00と4営業日ぶり反発。

ジャスダック市場では、ネット関連株物色の一環で買われた楽天がストッ プ高(値幅制限の上限)で終えた。自社株買いの実施を発表したインテリジェ ンスと明豊ファシリティワークスも急反発。このほか、SBIイー・トレード 証券、オプト、インデックス・ホールディングスも高い。半面、YOZAN、 東映アニメーションが安い。

マザーズ市場では、9月中間期の業績見通しを上方修正したミクシィが一 時ストップ高となるなど大幅高。ディー・エヌ・エーは連日の年初来高値更新。 サイバーエージェント、ACCESS、サイバー・コミュニケーションズも急 伸した。上場4日目となるアールエイジは終日買い気配で推移し、取引が成立 しなかった。半面、エリアクエスト、シーエスアイが下げた。

ヘラクレス市場では、前期(07年8月期)決算が市場予想を上回ったUS ENがストップ高で、約2カ月ぶりの高値水準に戻した。不動産ファンドを運 営するアセット・マネジャーズとダヴィンチ・アドバイザーズも買われた。半 面、オックスホールディングス、日本通信が安い。

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